福沢諭吉、西周に関する研究書をお譲りいただきました!~責任の取り方と日本の近代

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、各国の政治指導者らの決断とその責任の取り方に注目が集まっています。本日13日のBBC日本語版によれば、新型コロナウイルスに感染したために入院していた、イギリスのボリス・ジョンソン首相が12日(現地)、退院したことのことです。はからずも国民保健サービス(NHS)の最前線に居合わせたことで、ジョンソン首相は今後どのように感染拡大に対処していくのでしょうか。

※ジョンソン英首相が退院、「助からない可能性あった」 医療者に感謝(BBC NEWS JAPAN、2020年4月13日)
https://www.bbc.com/japanese/52266017

 責任の取り方は一つではありませんが、キリスト教的な発想においては、「選択の自由」に伴って「責任」が生じると考えます。政治指導者であれば、自分のとった政策的な選択から生じた結果に対して、その責任を問われることなるでしょう。そして、その責任から逃れようとすることは、神様の許すところではなく、おそらく最後の審判で地獄行きを宣告されるに違いありません。この文脈では、「責任をとれば良いというものではない」と政治指導者が発言することは、意味不明の話なのです。

 何やら昨今のニュースでも思い当たるところがあるかもしれませんが、そのエピソードを俎上に載せようというわけでは、ありません。実は、上記のキリスト教的な責任論は、日本が明治初期の急速に近代化(西欧化)を目指した際に、十分に取り入れることができなかった問題なのです。そのため、日本の法律・制度設計は西欧的なのに、他方で人間の精神はそうなってはいない、というズレが近代史の中で様々な問題を引き起こしていきました。

 どれくらいのズレかといえば、一所懸命という言葉がありますが、このように選択の余地のないところで死ぬ気で頑張るというふうに、日本人は考えがちなのではないでしょうか。そういう発想を前提にすると、良き選択であったか、あるいは結果がどうこうよりも、どれくらい(身心を危険にさらして)頑張ったかが評価される、ということになりはしないでしょうか。そのような物の考え方で、ヨーロッパ諸国を模倣した近代国家を運営していこうとすること自体が、大問題とまでいえるかもしれません。

 この大きなズレを直視し、このことが引き起こす問題への対処に知恵を搾ることが求められているのではないでしょうか。そのためにも、明治初期にヨーロッパ先進国の制度や思想をどのように、先人たちが学んだのか振り返る必要があります。

 ちょうど、古書の出品に向け、お譲りいただいた品々を整理していたところ、下記の書物がございました。

丸山真男『戦中と戦後の間』

 丸山真男『戦中と戦後の間 1936-1957』(みすず書房、1976年)には、「福沢に於ける秩序と人間」(1943年)など、丸山の福沢諭吉研究において重要な論考が収録されています。他方、源了圓『徳川合理思想の系譜』(中公叢書、1972年)は、丸山の福沢論にもふれながら、「西周における徳川思想と明治思想の連続・非連続」というテーマが扱われています。西周は、『明六雑誌』の観光を通じて、西洋哲学の普及に尽力したことで知られています。

 このような興味深い書籍をお譲りいただいたこと、ご依頼者様に感謝申し上げます。

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小野坂


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