「大吉原展」のご案内です

「遊廓」この言葉を聞いて、あなたはどんなイメージを抱くでしょうか。
煌びやかな女性たちによる文化の最先端の地。あるいは性を売り物とし、搾取が横行した風俗街。最近では「鬼滅の刃」の作中にて描かれた姿も記憶に新しいですね。
しかし、今となってはその真の姿を我々が知る手立てはありません。

 

非日常の世界でありながら、歴史の負の側面でもある、吉原の遊廓を扱った「大吉原展」が、現在、上野の東京芸術大学大学美術館にて前期・後期に分けて開催しております。後期の会期は、間もなく4月23日から5月19日までです。

本展は、吉原の文化や生活を描いた風俗画や、当時の遊女を描いた美人画等を含む約230点の作品で構成されています。

今回はその中から、修復後初公開となる重要文化財、高橋由一《花魁》を紹介いたします。
こちらは江戸に生まれ、明治時代に活躍した洋画家、高橋由一の代表作とも言われる作品です。高い技術によってリアルに描かれた、凛とした江戸美人の印象が強い本作ですが、モデルとなった遊女がこちらの作品を見た際、自分はこんな顔ではないと泣き出したといいます。

浮世絵の美人画として美しく描かれることが常で、売れっ子の遊女として持て囃された彼女のプライドは、美化されずにありのままの姿を描かれることを許さなかったのでしょう。しかし、彼女のそうした性格は、遊女となる前からのものだったのでしょうか。自分はそうは思いません。激しい競争の中で、自分自身を売り物とすることで精神をすり減らす一方、華やかな世界で脚光を浴び、多くの人から持て囃される。こうした、極度に強い光と闇を同時に浴びる異常な状況下に居続けることで、純粋だった少女の心をいびつに歪めて壊してしまう。前述のエピソードは、当該の遊女のわがままな性格を示すだけのものではなく、遊廓のそうした負の側面を強く表したものであると自分は考えます。

作品の意味とは、その作品と鑑賞者との間に生まれるものだと自分は考えます。遊廓が様々な側面を併せ持ち、その歴史的意義や現代から見た捉え方について今も議論されているように、物事を一面からのみ捉えるのではなく、ときには違う角度からも吟味して、ときには直感的に、自分の感想を抱く。本展と当ブログが、そうした新たな発見の一助になれれば幸いです。なお、本投稿には吉原の制度を容認・美化する意図はございません。

 

公式HP:https://daiyoshiwara2024.jp/

公式X(旧Twitter): @daiyoshiwara24

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。

キタムラ

 

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