【買取価格保証ページの更新】新装版中国古典新書(明徳出版社)

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 さて、くまねこ堂では、新刊書やベストセラー書籍の買取価格の保証を設けております。
弊社ホームページより「買取価格一覧」(https://www.kumanekodou.com/item_entry/)のページをご覧ください。

 今回は、上記ページの更新の告知として、そこへ新たに追加されました書籍を紹介いたします。

新装版 中国古典新書 明徳出版社

 新たに『新装版中国古典新書』(明徳出版社)シリーズの買取価格の保証を設けましたが、上記は手元にあります同シリーズの中の、野村茂夫『書経』(明徳出版社、1974年)になります。

 書経とは、中国の経書で五経の一つです。20巻、58編で構成されており、孔子の編とされています。その内容は、尭(ぎょう)・舜(しゅん)から周までの政論・政教を集めたものになります。本来は「書」「尚書」と呼ばれており、宋代から「書経」と呼称されるようになり、現在にいたっています。

※書経(weblio辞書)
https://www.weblio.jp/content/%E6%9B%B8%E7%B5%8C

 明徳出版社公式サイトによりますと、書経は「中国最古の帝王像を描写した貴重な資料でもあり、民本主義を代表した政治思想の姿とも言える」と、ただならぬ文言が記載されています。民本主義とは、大正デモクラシー期に活躍した政治思想家の吉野作造が提唱した、普通選挙と政党内閣制に基づく政党政治の基本理念として知られています。

 実際、吉野作造は西欧ないしアメリカの民主主義思想を受容するにあたって、他方で儒教の素養と突き合わせながら、自身の政治思想を鍛え上げていった一面があるようです。今日の日本の大学では、「外国語、古文、崩し字ができない奴が近代日本史のゼミに来るものだ」などという話もあるようですが、近代日本を形づくった人々は、西洋哲学にも漢籍にも明るい偉大な人物であったわけです。

 外国語、古文、崩し字ができないからと、うっかり近代日本史を受講するのもありだと思います。けれども早晩、吉野作造の民本主義が、欧米の政治思想(もちろんキリスト教を背景に持つ)および中国の儒教に由来すると知ることになるわけで、それを知ったなら勉強する覚悟をキメたいところではないですか?!(他方で、ある大学1年生向けの初年次ゼミの補助に入ったことがあるんですが、そのゼミでは学生においても、近代日本についてレポートを書くには、少なくとも英語と漢文の文献を読まないとダメで、まあどっちかはちゃんとやらないとね、という雰囲気がありました。最近の若者はスゴイですよ、1限でも遅刻しないですし)。

 大正デモクラシー期の伝統を今日どのように受け取るか、あるいは私たちはそれ受け取り損ねてきたかもしれないのではないか、『書経』に接したことで、そのような思いが浮かんできました。

小野坂


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