毛沢東「字のない本を読め!」とは? #日中戦争 #サイバネティックス

 いつもくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。

 突然ですが、まずは、次の一節をご読みください。

「実践を通じて真理を発見し、また実践を通じて真理を立証し真理を発展させる。感性的認識から能動的に理性的認識にまで発展し、また理性的認識から能動的に革命的実践を指導し、主観的世界と客観的世界を改造する。実践、認識、再実践、再認識という形式が循環往復して、無限に繰り返され、そして各循環ごとに実践と認識の内容が一段と高い段階にすすむ」

毛沢東 実践論・矛盾論

 これは、毛沢東「実践論」の末尾の一節です。「実践論」はその続編ともいうべき「矛盾論」とあわせ、毛沢東が1937年7月と8月に、延安の抗日軍事政治大学で講演した内容です。この「実践論」と「矛盾論」が活字媒体で発表されたのは、1951年になります(訳文、原書の出典については、毛沢東『実践論・矛盾論』松村一人、竹内実訳〔岩波文庫、1957年〕に依拠しています)。

 ところで、毛沢東が提唱した「実践、認識、再実践、再認識という形式が循環往復」するような情報処理の仕方は、機械の通信と制御に関するサイバネティックスという学問分野の基本的な考え方と似ているところがあります。サイバネティックスの中国起源と思しき、あるエピソードについては、以前ブログで紹介しました。下記リンクからご覧ください。

※サイバネティックス創始者のノーバート・ウィーナーの自叙伝が入荷しました!(くまねこ堂古書ブログ、2021年2月2日)
https://www.kumanekodou.com/26468/

 また、「各循環ごとに実践と認識の内容が一段と高い段階にすすむ」というように、学習過程おける階層性を認め、その上昇を説いている点は、『精神と自然――生きた世界の認識論』の著者として知られる文化人類学のグレゴリー・ベイトソン(1904-1980)のコミュニケーション理論と似ているかもしれません。ベイトソンについても、かつてアップしたことがあります。

※岩波文庫化記念~グレゴリー・ベイトソン『精神と自然――生きた世界の認識論』佐藤良明訳(思索社、1982年)について(くまねこ堂古書ブログ、2022年1月31日)
https://www.kumanekodou.com/26534/

毛沢東の読書

 実践と認識の循環において、自身の活動と理論を発展させていこうとした毛沢東は、「字のない本を読め」との、一見迷言のような名言を残したと伝えられています。それはいったいどういう意味なのか、との疑問には、とりあえず最近入荷した、逢先知『毛沢東の読書生活――秘書がみた思想の源泉』竹内実、浅野純一訳(サイマル出版、1995年)にあたってみてはいかがでしょうか。

===
 くまねこ堂古書ブログでは、たまたま同時に入荷したいくつかの書籍の組み合わせによって、期せずして生まれた「情報」をお伝えしていきたいと思います。

 なお、出張買取につきましては、お電話またはメールフォーム、LINEにて、お気軽にお問い合わせ下さいませ。スタッフ一同心よりお待ちしております!

小野坂


本・書籍ランキング


よろしければシェアお願いします

2022年10月に投稿したくまねこ堂の記事一覧

くまねこ堂 古本出張買取対応エリア

東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城を中心に承っております。詳しくは対応エリアをご確認ください。

PAGE TOP