カール・バルト『ローマ書講解』全2巻、小川圭治・岩波哲男訳(平凡社ライブラリー、2001年)が入荷しました

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 最近、以下の本が上下巻セットで入荷しました。キリスト教や社会主義への関心から、あるいは20世紀という戦争と革命の時代を考える際のテキストとして、おすすめしたい文庫本です。

カール・バルト『ローマ書講解』全2巻、小川圭治・岩波哲男訳(平凡社ライブラリー、2001年)

 上掲の画像は、カール・バルト『ローマ書講解』全2巻、小川圭治・岩波哲男訳(平凡社ライブラリー、2001年)です。著者のカール・バルトはスイス、ドイツで活躍した20世紀を代表するプロテスタント神学者です。「ローマ書」とは新約聖書の一部であり、『ローマ書講解』はバルトによる「ローマ書」の解説ということになります。同書の原書は第1版が1919年、第2版が1922年に出版されています。画像の訳書は第2版に依拠しています。

 第一次世界大戦(1914-1918年)とロシア革命(1917年)という戦争と革命の衝撃を、労働運動や社会主義運動に積極的に参加していたプロテスタント神学者のバルトがどのように受け止めたのでしょうか。バルトが取り組んだ課題は、幅広い関心に応えるものになっているのではないかと想像されます。

 バルトの全体像の理解について、この場で簡潔にお伝えすることはできませんが、代わりに、とっかかりとなるような出来事を紹介してみたいと思います。それは、あるクリスチャンとお会いしたときのことでした。その方はしきりに「神のご計画」と言われるので、私は普通「計画」という言葉は、人の意思で自由市場に介入するとか、そういった社会主義の話で使われますよね、と返しました。そうしたら、クリスチャンは「計画」は神のものだと信じていると返ってきたわけです。そういうわけで、なるほどクリスチャンの社会主義に対する批判がキツく、鋭く感じるのは、こういう「計画」の意味の二重性にあるのか、と何やら納得した、ということがありました。

 とはいえ、だから何を納得したのか、と質されても、わかりやすい説明を返せるわけではありません。私ごときの説明よりも、バルトによるキリスト教神学者による社会主義批判の鋭さ、そこに含まれた社会運動に対する叱咤激励にふれてみてはいかがでしょうか。

 なお、20世紀の戦争と革命の時代の思想家として、もう一人、重要な「カールおじさん」を紹介したいと思います。以前取り上げた、カール・ポランニーです。下記のリンクよりご覧くださいますと幸いです。

カール・ポランニー(Karl Polanyi)の著書が入荷しました!~『大転換』から『人間の経済』へ(くまねこ堂古書ブログ、2022年5月13日)
https://www.kumanekodou.com/29533/

小野坂

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