買取事例

東京都千代田区へ出張買取に伺いました!

 

くまねこ堂からのお知らせです🎇

【くまねこ堂は今月休まず出張買取を行います!💨】

くまねこ堂は今月休まず出張買取を行います💨

また今月の20日(木)までの期間限定で古本の無料回収も行っております!

【江東区古本無料回収(期間限定)】のご案内✨

大量の本のご処分、ご整理でお困りの方、ぜひこの機会にご利用ください。
お片付けは思っている以上に料金がかかってしまうもので、また後回しになってしまいがちです。そういった方はお気軽にお電話等、ご連絡お待ちしております!

 

======================

先日は東京都千代田区へ出張買取へ伺いました。
千代田区には当店もよく利用させていただいている古書組合の市場がありますが、そこから車ですぐの場所で非常に助かりました。

今回は展覧会の図録や美術書など大判の本を中心にお譲りいただきました。中原淳一、別冊太陽、陶芸、焼物関係の本もございました。

佐伯祐三 その眼がとらえた風景 (別冊太陽)

『佐伯祐三 その眼がとらえた風景 (別冊太陽) 』 こちら当店で現在出品中です。

 

中原淳一氏は昭和21年に女性誌『それいゆ』を創刊し、その後も編集長として女性誌の基礎を作りました。
ちなみに由来となった【Soleil】はフランス語で太陽の意味だそうです。素敵ですね。

その他ファッション、インテリアのデザイナー、人形作家など多彩な才能を発揮し、その分野の先駆的な存在となったそうです。

 

そんな彼が強く影響を受けたのが数多くの美人画を残した竹久夢二です。
ノーベル書房から限定1000部で発行された『定本 竹久夢二』が当店にございましたので、そちらからいくつか作品をご紹介いたします。

『定本 竹久夢二』より

『定本 竹久夢二』より
『定本 竹久夢二』より

大正ロマンを代表する抒情的な作品群は「夢二式美人」と呼ばれたそうです。

「大正ロマン」が何かは知らない僕でも、見ただけでそれが感じられます。
やはり絵には力があります。

最後に、夏ですね。
「お夏狂乱」という作品でお別れしましょう。

🦋 🦋 🦋

 

くまねこ堂では古本はもちろん食器、置物などの小物、CD・DVD、ゲーム、美術品、骨董品など幅広いジャンルのお品物を同時に査定することができます。

断捨離や生前整理も大歓迎でございます!

ご整理やご処分でお困りのお客様は是非一度お電話やLINE、メールにてお気軽にご連絡くださいませ。

スタッフ一同ご依頼を心よりお待ちしております。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

オノ

『定本 竹久夢二』より

 

人気ブログランキング
人気ブログランキング

 

【江東区古本無料回収(期間限定)】のご案内✨

くまねこ堂からのお知らせです🎇

江東区古本無料回収(期間限定)のご案内📚】

期間:2023年7月20日(木)まで受付いたします。

江東区にお住まいの方で、本のご処分にお困りの方、是非ご検討ください。
江東区であれば、ご不要の書籍を無料で回収に伺います。百科事典・文学全集も大丈夫です。

回収日時の指定は基本的にお受けしておりません。
その他、事前に確認したいことがございますので、以下の当店のフリーダイヤルにご連絡の上、ご相談くださいませ。

ご連絡はこちらへ【0120-54-4892】📞

以上ご案内となります。どうぞよろしくお願いいたします。

コトー

人気ブログランキング
人気ブログランキング

 

くまねこ堂は今月休まず出張買取を行います💨

くまねこ堂からのお知らせです🎇

【くまねこ堂は今月休まず出張買取を行います!💨】

くまねこ堂 出張買取

ご整理やお片付けでお困りの方、ぜひご相談ください!
古本やDVD/CDの他にも、古道具や骨董品、アクセサリー、切手、万年筆、レコードや古いおもちゃなどなど、様々なお品物の買取も行っております。

フリーダイヤル【0120-54-4892】にご連絡いただくか、または以下のリンクからメールフォームでお問合せくださいませ。
https://www.kumanekodou.com/form/yoyaku_form/
またLINE査定も可能です!

LINE査定
上記のQRコードより友達追加、必要事項にご記入いただき、画像をお送りください。

【くまねこ堂は即日出張買取も対応しています!💨】

都合がつけばご連絡いただいたその日にお伺いすることも可能です。
是非お気軽にお問い合わせください!

以上ご案内となります。どうぞよろしくお願いいたします。

コトー

人気ブログランキング
人気ブログランキング

 

スピッツ「空も飛べるはず」と「めざめ」について

【🌴くまねこ堂は今月休まず出張買取を行います!!🎐】
都合がつけばご連絡いただいたその日にお伺いすることも可能です。
是非お気軽にお問い合わせください!

最近は休憩で事務所から出ると、昼の気だるさを感じます。真夏が近づいているけれど、まだ振り切ってはいない感じ。自分は真夏に立ち向かう勇気はありません。困りました。しかしそんなことを思っているうちに、いつの間にか涼しくなり、寒くなって雪が降ってしまうのでしょう。相変わらずの日常が繰り返されていることだけはよくわかります。困りました。

そんな思いの中、鬱屈を吹き飛ばしてくれそうな、なんとも爽やかなジャケットのCDを発見しました。
スピッツの「CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection」です。

スピッツ 空も飛べるはず

ボーナスディスクがついていて、そこには「めざめ」という曲が収録されています。

スピッツ 空も飛べるはず

ブックレットの竹内修の解説によれば
  1993年12月24日(クリスマス・イヴ!)に一日でデモ・レコーディングされた「空も飛べる 
  はず」のプロトタイプ。完成版とは歌詞もメロディも少し違っているが、基本的なアレンジ、
  ギター・フレーズなどは既に固まっているのが確認できる。
とのことです。

このボーナスディスクの「めざめ」を聴いていて、気付いたことがありました。「空も飛べるはず」サビの
  君と出会った奇跡が この胸にあふれてる
は、「めざめ」では
  君と出会えた痛みが この胸にあふれてる
となっているようです。

君と出会えたことは、痛みではなく奇跡だと変更されている。これは重要な違いです。

「空も飛べるはず」の「君」の行為について考えてみると、
  幼い微熱を下げられないまま 神様の影を恐れて
  隠したナイフが似合わない僕を おどけた歌でなぐさめた
とあり、大人として諦めたり冷めたりすることができず、他者や自分を傷つけるような性質を秘めて過ごしていた「僕」を、「君」が慰めたことがわかります。しかしそれは「おどけた歌で」とされていることから、「僕」にとっては、誤魔化しているではないかとか、「僕」に真正面から向き合っていないのではないかと思わせることもあったのかもしれません。

また、
  切り札にしていた見えすいた嘘は 満月の夜にやぶいた
  はかなく揺れる 髪のにおいで 深い眠りから覚めて
ともあり、「僕」は「君」と親しい仲になる中で、嘘をつくことをやめたことがわかります。

「空も飛べるはず」のサビでは、「夢を濡らした涙が 海原へ流れたら」とあります。この曲全体としては、「僕」が少年性を保ったまま夢を追っていたところから、「君」との出会いで大人になってしまうこと、その移り変わりを詩にしているようです。
一人で尖って嘘をつきながら頑張っていた少年は、「君」との出会いで、二人で生きていくようになる。「僕」は夢を追うのではなく、君と生きていくことを選ぶようです。でも「夢を濡らした涙が 海原へ流れたら」とあるので、挫折に挫折に泣ききって、思いも行くべきところへ行きつき、自分がそれに苛まれることもなくなって初めて、それはかなうようです。「夢『を』濡らした涙」であるから、「夢」自体を「僕」は捨てた訳ではないのだろうけれど、「僕」は夢ではなく「君」に頼って、一緒に生きていくことにしたのです。

また、「色褪せながら ひび割れながら 輝くすべを求めて」とも歌詞にはあるので、ボロボロになりながらも自分を世界に認めさせようとしたが、しかし実際に世界で「きらめく」のは「ゴミ」だという思いが「僕」にはあるようです。しかし、それでも「君」と一緒に生活をしていきたいのだという思いに行きつくことが、繰返される「ずっとそばで笑っていてほしい」には表れています。

「君」との出会いで「僕」は夢を持った少年から、それのために生きるのではなく、誰かと生活していくことに喜びを見い出すような大人に変化しました。「空も飛べるはず」の「君と出会えた奇跡」という言葉からは、純粋な幸福を感じてしまいそうですが、「めざめ」では「痛み」とされていたことも考えるなら、「僕」の抱えている思いはなかなか複雑であることがわかります。「僕」は「君」のお陰で、孤独とか際限ない夢の追求とかから脱したのだけれど、それは救いであり奇跡なのだろうけれど、やはりそこには痛みがあったのだと。
でもそのような変化を経るなら「きっと今は自由に空も飛べるはず」と歌詞の中では言われています。「空を飛べるはず」なんて言葉は無邪気な少年に似つかわしく、夢を感じさせるようでもあるから、大人になる過程での「僕」の苦しみを考えるなら、それは皮肉にも聞こえそうなくらいです。

「空も飛べるはず」は何度も耳にしたことのあった曲ですが、今回プロトタイプの「めざめ」を聴いて、これはただただ幸せな曲なわけではないのだと、初めて気付けました。
そしてスピッツの怖さも改めて感じて、面白く思いました。草野マサムネ、そしてスピッツにかかれば、どんな残酷も非情も美しい言葉になり、さわやかな声と音楽になってしまうのだなあと。それはもちろん魅力でもありますが。

爆速でこのブログも書いてしまいましたが、「空も飛べるはず」も「めざめ」も、もっと腰を据えて一句一句ねちねちと解釈したなら、思わぬ発見ができるはずです。例えば「夢」をとりあえず「僕」の「夢」としましたが、「君」の「夢」であることも考えられるし、その場合は大分様子が異なってくるはずです。曲の綺麗さで見逃してしまいがちですが、歌詞はかなり難しく重い気がします。また、せっかく「めざめ」を持ち出したのに、「空も飛べるはず」との対照がまだまだできていません。様々、時間をかけて、じたばた格闘してみたいです。しかし、それは今日のうちにはかないませんから、とりあえずこのブログはそのような自分の見通しを示しただけで終わりになります。中途半端に散らかしたばかりでありますが、お読みくださりありがとうございました。

 

くまねこ堂では、古本やDVD/CDの他にも、古道具や骨董品、アクセサリー、切手、万年筆、レコードや古いおもちゃなどなど、様々なお品物の買取も行っております。
ご処分をお考えの方、またご整理などでお困りのお客さまは、是非くまねこ堂までお申しつけ下さいませ。いろいろなご提案ができるかもしれません。
お電話またはメールフォーム、LINEにて、まずはお気軽にお問い合わせ下さい!スタッフ一同心よりお待ちしております!

コトー

 

人気ブログランキング
人気ブログランキング

 

楽譜や音楽書をお譲りいただきました!

本日もくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。

 

先日は東京都文京区に出張買取に伺いました。

お引越しに伴う断捨離・生前整理ということでクラシックやオペラの楽譜・CD、専門書・学術書・音楽書などの書籍、洋食器、人形などをお譲りいただきました。

誠にありがとうございました。

ワーグナーのオペラ楽譜です!

これいずれもが結構な厚さで鈍器として十分に機能する重量となっています。

 

今回お譲りいただいた楽譜は殆どが洋書でした。

解説はさっぱりでも譜面を見ると何となく音自体はイメージできたりするので、音符は共通言語なのだと改めて実感します。

バンドにいそしんでいた学生時代、私と似た趣味を持つ留学生とギターリフで会話しまくったのは最高の思い出ですね…「音楽は人と人を繋ぐ」なんて陳腐な言葉ですが、あながち嘘でもないのかなぁと思ったりします。

 

 

くまねこ堂では古本はもちろん食器、置物などの小物、CD・DVD、ゲーム、美術品、骨董品など幅広いジャンルのお品物を同時に査定することができます。

今回のような断捨離や生前整理も勿論大歓迎でございます!

ご整理やご処分でお困りのお客様は是非一度お電話やLINE、メールにてお気軽にご連絡くださいませ。

スタッフ一同ご依頼を心よりお待ちしております。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

トリ

 

 

 

人気ブログランキング
人気ブログランキング

 

金城哲夫『ノンマルトの使者――金城哲夫シナリオ傑作集』(朝日ソノラマ、1984年)が入荷しました

 いつもくまねこ堂ブログをご覧くださりありがとうございます。

 ウルトラセブンの展覧会が、6月23日から東京の池袋PARCO本館7Fで開催されています。2022年に放送55周年を迎えたウルトラセブンに再度注目が集まっています。

 ところで、最近、次の本が入荷しました。

金城哲夫『ノンマルトの使者――金城哲夫シナリオ傑作集』(朝日ソノラマ、1984年)

・ウルトラセブン第42話

 金城哲夫『ノンマルトの使者――金城哲夫シナリオ傑作集』(朝日ソノラマ、1984年)です。著者の金城哲夫氏は、ウルトラシリーズの基礎を築いた脚本家として知られています。金城氏の手がけた作品には、差別や戦争責任の問題に切り込んだものが数多く存在します。そのなかでも、現在の地球人以前に地球に存在した人類「ノンマルト」との海底での戦いが描かれた、ウルトラセブン第42話「ノンマルトの使者」は、金城氏が沖縄出身であることと関係があるのかどうか、といったことが話題になることもあります。金城氏自身の沖縄戦の経験が、その後の脚本家人生に全く関係がないとは思えませんが、他方で創作で扱えるような体験であったのだろうか、という意見ももっともなことです。実際、後者のほうが、金城氏周辺のスタッフの見解として公表されることが多いようです。

 「ノンマルト」の上記のような設定はすなわち、現在の地球人は「ノンマルト」を侵略して地球人となったということを意味しています。現在の地球人に追いやられた「ノンマルト」は海底人となっていました。こうした部分に、日本本土と琉球・沖縄との関係を投影する視聴者が多いのは不自然ではありません。しかしながら、金城氏とともに作品をつくり上げた方々にしてみれば、そうした単純な二重写しの作品だとは思えないということなのでしょう。いずれにしても、金城氏の真意について断言することはもはやできません。

・「海底の邪魔者」?

 反対に、脚本家の真意を詮索するよりも、視聴した自分自身に対し、なぜ、あのシーンをずっと覚えているのだろう、と矛先を向けてみるとどうでしょうか。私にとってそういったシーンにあたるのが、「ノンマルト」に対し、「海底の邪魔者」呼ばわりを含め異様なほどの攻撃姿勢をみせたキリヤマ・ウルトラ警備隊隊長の様子です。この場面の映像作品でのセリフは、手元の脚本集そのままだったように思います。それが、下記です。

キリヤマ「ウルトラ警備隊全員に告ぐ! ノンマルトの海底基地は完全に粉砕した。われわれの勝利だ! 海底もわれわれのものだ!」

と、毎週出てくる宇宙からの侵略者さながらのセリフだったのです。しかも、このセリフはキリヤマ隊長のひきつった笑みとセットでした。まずもって、地球防衛軍・ウルトラ警備隊の場合、そういった血気盛んなセリフは、射撃の名人ソガ隊員や、怪力男のフルハシ隊員の吐くものだとばかり思っていました。それに加えて、キリヤマ隊長は、この場面で笑っているのです。ソガ隊員やフルハシ隊員が乱暴な言動をすることはあっても、彼らは猟奇的ではありません。

 脚本を確認してみると、キリヤマの異様な勝利宣言の前に、彼の心中が明記されています。映像作品でこのシーンをみると、あっけにとられて通り過ぎてしまいますが、脚本では時が止まるような緊迫感があります。

金城哲夫『ノンマルトの使者――金城哲夫シナリオ傑作集』(朝日ソノラマ、1984年)

・「ウルトラ警備隊のバカ!!」

 キリヤマ隊長は、後の作品である平成ウルトラセブンで、人類のルーツについて調べていたと語られます。しかし、キリヤマ本人の登場は(俳優の中山昭二氏が撮影直前に亡くなっていたため)ありませんでした。初見では、ノンマルトの真実について嗅ぎまわっていたキリヤマが、地球防衛軍の誰かに●されたのだと思ってしまいました(作中ではおそらく曖昧に描かれていたはずです)。こういう所業をやってのける地球人は、やはり侵略者アース星人だろうと、私は固く信じていたわけです。

 実際、人類の歴史には、侵略者が歴史を改ざんする、といった実例があります。それも現在からあまり遠くない時代のことで、現在にまで尾を引いている問題もあります。そういった史実に関連する書籍が入荷しましたら、この場で紹介しようと考えています。

小野坂

人気ブログランキング
人気ブログランキング

ジェームズ・ジョル『第一次世界大戦の起源(改訂新版)』池田清訳(みすず書房、1997年)を紹介します。

 いつもくまねこ堂ブログをご覧くださりありがとうございます。

 6月28日は、1914年のサラエボ事件、1919年のヴェルサイユ条約調印の日ですね。前者は第一次世界大戦の発端となった暗殺事件の日であり、後者はその大戦の講和条約の一つ(対独講和条約)です。

 第一次世界大戦は、ヨーロッパ中の国民国家が、その体制全体を動員して戦い続けた総力戦となりました。ところで、この「総力戦(total war)」という言葉がどういった戦争の名であるのか、ご存じでしょうか。「総力」といっても、第一次世界大戦以前の戦争のように軍隊同士が全力で、すなわち「総力を挙げて」戦うのと、第一次世界大戦を指して「総力戦」というのとは、意味が異なるのです。

 第一次世界大戦とそれ以前の戦争との違いは、大きなところでは、次の点があります。第一次世界大戦以前は事前に蓄えた兵器、兵士で戦ったのに対し、第一次世界大戦は戦いながら兵器を製造し続け、さらには新兵器も開発し、その新兵器を扱うような将校、兵士を養成していった戦争でした。

 なぜ、そのような空前(絶後ではなくなった)の規模で、悲惨な戦争が起きてしまったのでしょうか。この問いに真正面から答えようとした著作が在庫にございます。

ジェームズ・ジョル『第一次世界大戦の起源(改訂新版)』池田清訳(みすず書房、1997年)

 ジェームズ・ジョル『第一次世界大戦の起源(改訂新版)』池田清訳(みすず書房、1997年、原著第2版1992年)です。同書は現在2017年の新装版もあり、長年読み継がれてきた名著です。

 ジョル『第一次世界大戦の起源』の大きな特徴は、まさにタイトル通りの問題を、外交、軍事、内政、国際経済、帝国主義対立といったテーマごとに開戦原因を検討している点です。ということなら同書で、上記のどの分野に問題が潜んでいたのか、その答えをジョルが述べてくれるのかな、と想像してもよさそうな気がします。さらには、分割して詳しく検討するのは、歴史研究であれば当たり前だろう、それが専門家というものだ、とお考えの方もおられるでしょう。

 しかし、各章ごとの結論で示されているように、ジョルによれば、上記テーマごとの検討では第一次世界大戦の開戦原因の説明に足る決定打が見いだせなかったというのです。

 そこで、外交、軍事、内政、国際経済、帝国主義対立を検討した各章に続いて、ジョルは「1914年の雰囲気」という章を設けています。「雰囲気」といってもそれこそ各国で事情が違いすぎるわけで、揃いも揃って戦争に踏み出してしまった共通の理由など、「雰囲気」研究から出てくるはずはなかろう、と思われた方もおられるかもしれません。当然ながら、それはジョルにとっては先刻承知のことであって、その点の留保に続けて彼は次のように述べています。

「いずれも場合においても、直接の物理的脅威に抵抗する唯一の手段としての戦争観はいうにおよばず、政治・社会・国際の全分野にわたる諸問題の解決策として、あえて戦争の危険を冒す、ないしは戦争を受け入れるひとつの意志が存在していたことは事実である。だからこの大戦の原因を探る鍵は、結局のところ、ヨーロッパの指導者たちやその国民の精神状況を究明することにあるといえよう」

 なんということでしょう。「結局のところ」というわけですから、これが結論ジョルの下した結論だと受け取りましょう。そういうことなら、「やっぱしわかんないのか」と呆れる方が出てきても不思議ではありません。

 しかし、次のように発想を転換して、ジョル『第一次世界大戦の起源』を再読してみてはいかがでしょうか。歴史研究の価値は解答よりも、むしろ新たな問いを生み出すことであり、と同時にテーマごとに勝手に切り分けるのをやめ、同時代の目線を復元するところにあるのだとしたら、どうでしょうか。『第一次世界大戦の起源』の解答を求めて読んでしまった一回目の読書とは異なる世界が広がっているはずです。

小野坂

人文ランキング
人文ランキング

矢部宏治『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』(講談社現代新書、2017年)、同『知ってはいけない2――日本の主権はこうして失われた』(講談社現代新書、2018年)が入荷しました!

 いつもくまねこ堂ブログをご覧くださりありがとうございます。

 ところで、最近こんなニュースがありました。日米合同委員会の下部に設けられた「環境分化委員会(ESC)」の会合の映像が、在日米軍によって公開されました。日米合同委員会とは、主として在日米軍の広範な基地権に関わる日米間の合意、日米地位協定の運用に関する日米政府間会議のことです。日米合同委員会の映像が公開されたのは初めてのことだと日本の外務省は表明しています。

※「極秘会議」の映像を在日米軍がツイッター投稿 PFAS問題を意識? 日米合同委員会の環境分科委員会(東京新聞、2023年6月23日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/258619

 今回は、「日米合同委員会」の名を有名にした、ある本を紹介したいと思います。

矢部宏治『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』(講談社現代新書、2017年)、同『知ってはいけない2――日本の主権はこうして失われた』(講談社現代新書、2018年)

 矢部宏治『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』(講談社現代新書、2017年)、同『知ってはいけない2――日本の主権はこうして失われた』(講談社現代新書、2018年)です。著者の矢部氏は、書籍情報社代表の編集者で、日米安保に関する重要な研究を、創元社発行のシリーズ、「『戦後再発見』双書」から続々と世に出してきた方です。

 そのスゴ腕編集者の矢部氏自身の著書として刊行されたのが、上記画像の2冊になります。具体的な内容は、大変読みやすく書かれた同書を実際にお読みいただければと思います。この場であえて、同書の特色を記せば、次のような点が思い浮かびます。

 それは、矢部氏が日米間の条約や行政上の取り決めを読み解くにあたって、「ただし」あるいは「その他」、「など」といった英文記録の細かい点、さらには日本の外交文書の筆跡の違いから、矢部氏が「隠された日本支配の構造」と表現した大きな謎に接近していることです。

 英文については、主節の内容をゴッソリひっくり返してしまうような仮定法や条件の記載、あるいは変な目的語が存在するというのです。そういったことの目印になるのが “otherwise”(そうでなければ、ただし、といった意味で出てきます)や、定冠詞theのない単語に付された不自然な複数形の “s”に含まれるであろうわけのわからない取り決めだというのです。

 日本の運命は、一文、さらには一文字で決定されてしまうのです。この恐怖を、ぜひ矢部氏の著作や、矢部氏が担当された諸書籍で知る方が、できるだけ多くなってほしいと願い、こうして紹介しようと考えました。「知ってはいけない」は、これまでの話です。日米安保の構造を矢部氏が明らかにした以上、それは「知ってはいけない」のではなく、「知らなくてはいけない」ことのはずです。

===
 くまねこ堂では、古本やDVD/CDの他にも、古道具や骨董品、アクセサリー、切手、万年筆、レコードや古いおもちゃなどなど、様々なお品物の買取も行っております。ご処分をお考えの方、またご整理などでお困りのお客さまは、是非くまねこ堂までお申しつけ下さいませ。いろいろなご提案ができるかもしれません。

 お電話またはメールフォーム、LINEにて、まずはお気軽にお問い合わせ下さい!スタッフ一同心よりお待ちしております!

小野坂

人気ブログランキング
人気ブログランキング

春日部市にて古本・古銭などをお譲りいただきました!

 

先日は埼玉県春日部市へ出張買取に伺いました!本棚に入った本のご整理をメインに、その他にも買取できる物を様々お見せいただきました。
平凡社ライブラリー、特撮、SF、山の本、フィギュア、バービー人形、お菓子のおまけ、レコード、カセット、CD、メダル、コイン、古銭など様々なお品物をお譲りいただきました。大切に扱われていたお品物をお譲りいただき、ありがとうございました!

平凡社ライブラリー、特撮、SF、山の本など

怪獣・宝島・HPB銀背・SF・推理 他

平凡社ライブラリー、特撮、SF、山の本など

精神・心理・哲学・経済 他

平凡社ライブラリー、特撮、SF、山の本など

食・山・自然・映画 他

 

また当店では本だけでなく様々な物にお値段を付けさせていただいており、むしろそちらの方が高値で買取させて頂ける場合も少なくありません。
今回はレコード、カセット、CD、フィギュア、バービー人形、お菓子のおまけ、メダル、コイン、古銭などがそれらに該当いたします。
本のご整理の際に併せてお見せいただけると、思いがけず良いお値段が付けられるといったこともございます。ぜひ気になる物がございましたらお気軽にご連絡下さい!

メダル、コイン、古銭

メダル、コイン、古銭

メダル、コイン、古銭

こちらは現行貨ですが、古銭などは「父がコレクションしていたが、自分には価値が分からないから・・・」といった方も多い印象です。

バービー人形、お菓子のおまけ、レコード
古本だけでなく、レコード、CDなどライトな物からコレクターズアイテム、中国、日本の骨董など硬派な物、知識の要る物まで幅広く査定することができるのがくまねこ堂の一番の強みです!ちょっとした可愛いフィギュアなども嬉しいです。

お気軽にお電話いただけると幸いです。本日もお読みいただきありがとうございました。

小野

===================

くまねこ堂では、様々なお品物を買取させていただいております。古本はもちろんCD・DVD、レコード、切手、古銭、美術品、古いおもちゃ、ゲームソフトなど幅広いジャンルの品物を同時に査定することができます。
ご処分ご整理にお困りのお客様は是非一度お電話やLINE、メールにてお気軽にご連絡くださいませ。

スタッフ一同ご依頼を心よりお待ちしております。

人気ブログランキング
人気ブログランキング

足立区にて即日出張買取・古本の無料回収をさせていただきました!

 

先日は東京都足立区即日出張で、古本の無料回収をさせていただきました。
出張買取からの帰りの車中でお電話をいただき、タイミングも良く、その後30分ほどで現地の方に向かわせていただきました。

「引っ越す予定で片付けていたが、一人じゃとても運べない量の本が押し入れの中から出てきた」とのことでした。
お電話から、実際に運び出すのも含めおよそ1時間程度で、スピーディーに終わらせることができました!こういったフットワークの軽さも当店の強みの一つではないかと存じます。ぜひお気軽にお電話いただけると幸いです

猫・犬の本

猫・犬の本

猫・犬に関係した本をここまで大量に見たのは初めてで、圧巻でした・・・

 

獣医学、生物学、専門書、学術書といったジャンルの本がメインでございましたが、当店で査定することができないジャンルというものは基本的にはございません。ぜひ様々な本をお見せいただければと思います。

 

📚 📚 📚

また現在当店では江東区限定・6月限定で古本回収サービスをさせていただいております!
即日出張買取についてはいつでも大歓迎です!
詳しくはこちらをご覧ください。
【即日出張買取】お受けします!並びに【古本回収サービスのご案内(江東区限定・期間限定)】

 

🐈 🐈 🐈

余談ですが僕には猫を飼っている弟がいて、彼に先日「犬派・猫派」というもはや古典の域に入っている話題を持ち出されました。実はこれ侮ってはいけなくて、古典になるだけある以外に味のするトピックであることに驚かされました。
 今回たまたまかもしれませんが猫に関する本の方が圧倒的に多く、また実際に出版されている数としても多いのではないかと思いました。『作家と猫』という平凡社から出ている本がありますが、本と猫というのはやはり相性が良いものと思わずにはいられません。

 くまねこ堂という名前に恥じなく店主、従業員共に猫好きが集まっております。猫や動物がご縁で買取のご依頼を受けることも少なくございません。
買取につき「ちょこっと猫の手募金」という寄付も行っておりますそういった面でも当店にご興味を持っていただければと思います。本日もお読みいただきありがとうございました。

小野

===================

くまねこ堂では、様々なお品物を買取させていただいております。古本はもちろんCD・DVD、レコード、切手、古銭、美術品、古いおもちゃ、ゲームソフトなど幅広いジャンルの品物を同時に査定することができます。
ご処分ご整理にお困りのお客様は是非一度お電話やLINE、メールにてお気軽にご連絡くださいませ。

スタッフ一同ご依頼を心よりお待ちしております。

 

 

人気ブログランキング
人気ブログランキング

くまねこ堂 古本出張買取対応エリア

東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城を中心に承っております。詳しくは対応エリアをご確認ください。

PAGE TOP