美しき小箱、ボンボニエールとは

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昨日の記事で、入荷したボンボニエールの写真をご紹介しましたが、
昨日の時点では商品の詳細がよくわからなかったのですが、
今日調べていて判明いたしました。
これは大正13年(1924)1月26日、
当時の皇太子殿下(昭和天皇)と久邇宮邦彦王第一女子良子女王がご結婚された際に
列席者に記念品として贈られたボンボニエールだということです。

ところで、「ボンボニエール」といってもなんのことかよくわからないかたも多いかもしれませんので、
手元にあった「皇室の饗宴とボンボニエール」(扇子忠/思文閣出版)という本を使って
少しご説明してみたいと思います。

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日本の天皇は、今日まで125代にわたり皇位を受け継がれてきましたが、
天皇ないし皇室が日本という国の全体国家的儀礼や儀式を執り行われるようになったのは、
実際のところ明治維新後からではないかと筆者は考えています。
ある時は、天皇家の皇統に由来する私的な儀礼や儀式、
また、ある時は国家・国政とかかわる公的な行事に基づいて、
宮中における饗宴が催されてきたことは周知の事実です。
それらの饗宴の際には、いつの時代からか、その時々の記念品として、
小さな小箱ともミニチュアとも思えるものが、列席者に贈られてきました。
それが、今、「ボンボニエール」と呼ばれているものです。

「皇室の饗宴とボンボニエール」(扇子忠/思文閣出版)より抜粋

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ちなみにこの本によれば、こういった皇室の饗宴での記念品を
「ボンボニエール」という呼称で最初に表現されたのは、
平成3年(1991)に上梓された秩父宮妃殿下の著作「銀のボンボニエール」によるそうです。
そしてその後、平成12年(2000)の4月から7月までの期間に開催された
宮内庁三の丸尚蔵館の「慶びの小箱-ボンボニエールの意匠美」という展覧会で、
その呼称がほぼ定着したのではないかということです。
ずいぶん最近のことなんですね!
それ以前は、「菓子器」と一般的に呼ばれていたそうです。

せっかくですので、いくつか実際の写真をご紹介したいと思います。
歴代のボンボニエールの中でも、逸品のものと思われます!
(「皇室の饗宴とボンボニエール」(扇子忠/思文閣出版)より)

 

明治天皇陛下大婚25年祝典
明治27年(1894)3月9日、明治天皇の大婚25年の祝宴が催された。
列席者約500人が各部屋に分散して着席し、天皇皇后両陛下のテーブルには、
在日13カ国の公使夫妻及び随行員の57人など約100人が陪席。

 

 

フランス新任大使ポール・クローデルとの午餐会
大正10年(1921)12月7日

 

 

昭和大礼
昭和3年(1928)11月10日、京都御所において昭和天皇がご即位。
同月16、17まで3回にわたり「大饗の儀」が、12月7日より11日まで「饗宴の儀」が催された。
左側の灯篭型は大嘗祭、右側の桙(ほこ)は即位礼、中央の大太鼓は大饗の雅楽演奏で
それぞれ用いられるものがかたどられている。

(「皇室の饗宴とボンボニエール」(扇子忠/思文閣出版)より)

 


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