「わたしの国貞」展に行ってきました!

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さて、前回に引き続き
Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の
ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」展をご紹介させて頂きます。
今日は国貞のご紹介ですね!

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今回見ていてつくづく思ったのは、
絵師の人たちの力量はもちろん言うまでもないのですが、
彫師や刷師の人たちも凄すぎ!∑( ̄ロ ̄|||) ということでした。
たとえばこちらは隅田川の花火大会を描いた物なのですが、


「東都両国橋 川開繁栄図」歌川国貞/1858年

隅田川の花火大会の賑わいを描いた絵なんですけれども。
もうね、両国橋にびっしり乗っている群集の細かさとか半端なくて、
口あんぐり開けて見てしまいました、
こんなに小さいのにちゃんと顔も描いてあるんですよ!
川に所狭しと浮かぶ小舟や、茶店の中の様子などもすごく細かくて、
もちろん描く人もすごいですけど、いやもうこんなのどうやって
彫ったり刷ったりしてるんだ!?って、その職人魂に頭が下がる思いでした。
浮世絵とは正に、絵師・彫師・刷師の三位一体の結晶だということを、
改めて実感できた次第です。

着物の柄も一人一人、緻密に再現されていて素敵ですよねえ。
当時浮世絵は、今でいうファッション雑誌のような役割も果たしていたようですから、
絵を見ながら「私もこういう柄の着物欲しい!」「こういう櫛欲しい!」と
きっと購買意欲をそそられたことでしょう。

花火というよりレーザー光線のような感じですね(笑)
ちなみに江戸時代の花火の色は暗赤色だけだったそうですので、
おそらく今の我々が見たら色も形も甚だ物足りなく感じてしまいそうですが、
当時の人達にとっては興奮に足る素晴らしい娯楽であっただろうことが 
華やいだ絵から伝わってきます。
花火のドーンという音や、人々の賑やかな喧騒が今にも聞こえてきそうですね!

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「見立邯鄲」歌川国貞/1830年

これなんかも、団扇の細かい透け具合とか、櫛の緻密な装飾、
黒髪の流れるような線など、一体どうやって彫ったり刷ったりしてるの!?
って感じでした。本当にすごい職人技だと思います!

ちなみに題材になっている「邯鄲」はお能になっており、私も好きな演目の一つです。
立身出世や栄華も夢のようにはかないもの、という意の中国の故事が元となっており、
背景の山水画にその情景が描かれています。
手前の女性の現実的な色合いと、
夢の中のような藍一色の背景との対照が印象的です。

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「姿海老屋内 七人 つるじ かめじ」歌川国貞/1825~30年

吉原を代表する高級遊女が、2人の禿を従えて
夜桜が浮かぶ道中を行く姿を描いています。

文政期末に「ベロ藍」という人工絵の具が日本に輸入され、
斬新な色合いが好まれて盛んに用いられました。
藍色の濃淡だけで描かれた錦絵は「藍摺絵」と言われ、
渓斎英泉(1790-1848年)がはじめて描いて評判を呼んだそうです。

本図も、非常に独特な魅力が感じられました。
藍色だからこそ、幻想的で得も言われぬ妖艶さが漂っているんですよね。

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「五人男揃浴衣(部分)」歌川国貞/1861年

役者浮世絵も、このくらいの時代のものになってくると
役者さんの写真がけっこう残っているので、見比べてみると興味深いですね。

右が三代目・澤村田之助(1845(弘化2)年 – 78(明治11)年)、
左が初代・河原崎権十郎(1838(天保9)年 – 1903(明治36)年)です。
図録の解説には、この絵が描かれた頃、田之助が権十郎に執拗ないじめを
加えていたと書かれていますが、え、そうなの??
しかしいずれにせよ、この後2人の明暗は大きく分かれることになります。

権十郎は数々の苦難を乗り越えたのち、
明治7年(1874)に九代目・市川團十郎を襲名。
五代目・尾上菊五郎初代・市川左團次らとともに
「團菊左(だんきくさ)」と呼ばれる明治歌舞伎の黄金時代を築きました。
大衆的娯楽にすぎなかった歌舞伎を芸術の域にまで高めた團十郎は、
「劇聖」(げきせい)と謳われ人々の尊敬を集め、
また熱心に更新の指導にもあたり、有望な若手を育て上げました。

一方の田之助は、わずか16歳で立女形に昇進し、
人気・実力・美貌と3拍子揃ったカリスマとして一躍歌舞伎界の寵児となりましたが、
1862年に舞台で宙乗りの演技中に落下、
そのときのケガがもとで脱疽を患ってしまいます。
病状は悪化していき、ヘボン博士の執刀により四肢を切断。
それでもなお、不屈の精神で舞台に立ち続けますが、
やがて精神の異常をきたし狂死。享年わずか33歳の若さでした。

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と、ここまで記事を書いたところで、くまきち(夫)に

「そういえば今、店に国貞が30枚くらいあるよ~(-ω-)」

「エッッ!?(; ・`д・´)」

そ、そんな身近にあったのか、さすがは骨董屋・・・(; ・`д・´)オソルベシ!!
ちなみに国芳と国貞では、かなりの割合で国貞のほうがよく出てくるんですって。
そうか~、やっぱり国芳のほうがレアなんだなあ・・・:crown:


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2016年4月に投稿した古本出張買取り│くまねこ堂・妻のブログの記事一覧

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