「円山応挙-”写生”を超えて」展と、応挙の手紙


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にゃん母(鹿児島在住)が東京に遊びに来たため、
パンダ子(娘)のお守りをお願いして、
現在根津美術館で開催中の「円山応挙-”写生”を超えて」展に行って参りました!
平日だというのにけっこう混んでました、ファンとしては嬉しいですねえ(´∀`)

 

円山応挙(1733~1795年)は「写生」を重視することにより、
ものの姿かたちをいかに正確に紙の上に捉え、かつ美しく、
魅力的な絵にするかを思案し、それまでにない新しい画風によって
江戸時代半ばの京都で圧倒的な人気を誇りました。
円山・四条派の祖であり、近代日本画の系譜は応挙に始まるといっても
過言ではない、日本絵画史上でも重要な位置を占める絵師です。

そして絵画の力量に加え、応挙は人格的にも優れていたことで有名でした。
温和で奢らず、生真面目で、弟子の面倒見もよい好人物であり、
「温雅で愛すべし」人物だったそうです。

それでは図録から、ほんのちょっぴり作品をご紹介します。


「白狐図」(1779年)

「白狐図」は応挙作品の中でも、(今のところ)私が一番好きな作品です!

白狐(単なる狐ではなく、霊獣だと思われます)の白さは、
白い絵具によるのではなく、周りの淡墨を塗り残すことで表現されており、
そして塗り残しは毛描きの少し外側まで及んでいるため、
毛の柔らかい質感を表すとともに、狐自体がぼうっと光を発しているような
効果を生んでいるそうです。

実際の絵を見ると、本当に「ゾクッ」とするんですよ・・!
体からは幻想的な光を放ち、金色に塗られた目は神秘的で神々しく、
それと同時にまるで生身の女性を見るような艶やかさも感じさせるのです。
寂寞とした秋の野の簡素な背景も効果的で、まさに幽玄の美を感じさせる逸品です。

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「藤花狗子図」1781~89年頃

あまりにメジャーですけれども~~、
でも応挙といえばやはり外せません、「狗子図」!!
この丸っこいフォルムと毛皮のもふもふ感は、何回見ても最高、
時代を超えた可愛さ!

応挙の描く子犬は当時から大人気だったため、同じ画題の作品は多いのですが、
この絵は子犬と共に藤花も組み合わされていて素敵ですね。
ワンちゃんが藤花をくわえて遊んでいて、チャーミング!

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右隻:

左隻:

「雲龍図屏風」1773年

各隻のサイズは、縦176センチ✖横365センチ、迫力あります。
この画題は古今東西様々な画家たちによって描かれていますので、
もっと奇抜でド迫力のある「雲龍図」も存在しますが、
でもやっぱり応挙の龍は、端正な中にも威厳のある存在感と
躍動感があって素敵です。

図録の解説に、

「あるいはそうした龍以上に素晴らしいのは、それを取り巻く雲の表現である。
墨の滲(にじ)みや暈(ぼか)しを駆使して、水蒸気をたっぷり含んだ大気が
激しく渦巻く様子を描いている。(中略)
見ていて息苦しくなるほどの雲が、触ったらつかめそうな龍を包み込み、
ひいては、厚みのある充実した画面空間を創りあげているのである。」

とあるのですが、実際に絵をじっと見ていると、本当に、
「ズモモモモモ・・・」と空気が渦を巻いて動きだし、
風圧や湿った空気が肌に感じられるかのような錯覚に捉われるのです、
この全体を支配する空気感たるや実に素晴らしい!
そして龍のお目めは意外と優しくてユーモラスなんですよ、
ぜひ大きな実物をご覧になって、お確かめ下さい♪

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最後に。
先日、Eテレの日曜美術館で放映された「ありのままこそ 応挙の極意」を見ていたら、
応挙が子孫に遺したとされる遺言のような手紙が紹介されていて心に残りましたので、
そちらをご紹介してこの記事を終わりたいと思います。
(※手紙は、展覧会では展示されておりません)

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子孫へ

誠を尽くすのに遠慮は無用である。家の流儀に真正直に従う必要はない。
自分で考えもせず、ただ言われたとおりやるだけでは、甚だつまらない。
できるだけ一筋に、自分で自分の心を、腕を、磨いてゆくだけだ。

こんな姿の松をもらい(注:盆栽のこと)、よくよく見ると惜しい気持ちがする。
大木にもなるはずのものなのに、つたない教えを受けて
こんな風に見苦しい形になってしまい、松自身も可哀想に。

とにかく考え方、見方を押しつけるのはやめて、自然に伸ばしてあげればよい。

人には大中小といて、その人となりは、
大は人のため、中はありのまま、小は自分勝手。

ただ、中のありのままで、背伸びはせず、才覚はいらない。

変に飾り立てたりしては、人々が寄りつかないものである。
自然にまかせてありのままでいることこそ、我も人も、共にによろしい。

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参考文献:
「円山応挙展-江戸時代絵画 真の実力者」愛知県美術館/2013年
「円山応挙-日本絵画の破壊と創造 (別冊太陽 日本のこころ)」


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