蒔絵アルバム(明治時代)がやってきた!


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大変ご無沙汰しております。
パンダ子(娘・3歳)が4月に幼稚園に入園して母子共に新生活が始まり、
慣れない毎日にすっかりバタバタしておりました:kaomoji1::ase1:
おかげさまで、元気にやっております。

さて先日、宅配買取で大変興味深いお品物をお譲りいただきましたので、
ぜひご紹介させていただきたいと思います。

表紙:

この写真を見てすぐにピンと来た方は相当の古い物通、
これは通称「蒔絵アルバム」と呼ばれる、明治時代に爆発的に売れた
外国人向けの写真集です。

サイズは27.5㎝✖35㎝、大きくてかなりズッシリと重みもあります。
表紙には蒔絵で絵が描かれ、象牙と螺鈿で立体的な彫刻が施されています。

 

裏表紙:

 

さて、「蒔絵アルバム」とは一体どういうものなのでしょうか?
「幕末漂流」著:松本逸也という本にわかりやすい概要が載っておりましたので、
一部を抜粋させていただきます。1993年発行の本です。
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パリやロンドンから、明治二十年から三十年代にかけて、
横浜居留地を中心に爆発的に売れた「蒔絵(まきえ)アルバム」が、
今、続々、日本に里帰りしている。
これは、当時、日本を訪問する外国人が、異国情緒たっぷりのこのアルバムを
土産として持ち帰ったものを、今度は、現代の日本人が、海外に旅をして、
パリやロンドンの蚤の市などでアルバムを見付け、買い戻すといったことによる。
こうして、百年前のニッポンが、日本人の手によって再発見されるという
妙な現象が、今、起きているのである。

(中略)

さて、「蒔絵アルバム」。
外国人観光客目当ての豪華アルバムのことで、
日本紹介の名勝風景、社寺、風俗、人物などの着色写真を約百枚張り付け、
木製の表紙を漆と金銀粉、摺(すり)貝などの絵模様で飾ったものである。
主に横浜で大量に作られたことから、前出の小沢健志教授(写真史)が
「横浜写真」と命名し、今ではこの言葉が定着している。

営業写真であるため、どうしても商業性が強く、未知の東洋への
異国的興味にこたえた演出が目立つ。
とはいえ、この蒔絵アルバムこそが、幕末、明治の日本を映像で伝えるもので、
資料性は高く、極めて貴重だ。
このアルバムのおかげで、こうして百年後の現代人に当時の生活をうかがい
知らせてくれるのである。

このアルバム制作のパイオニアの一人は、横浜居留地内にあった
ベアトの写真館を引き継いだオーストリア人写真師スティルフリードである。
(中略)
このアルバム販売で材を成した営業写真師には、スティルフリードの後を引き継いだ
金幣商会の日下部金兵衛や、ファサリ商会のファサリがいる。
共に横浜で店をはり、「横浜写真」の双璧である。
日本画の絵師を着色師として雇い、最盛期には三十人もずらりと並び、
四ッ切りの白黒写真に彩色を施すといった繁盛ぶりで、
ひたすらアルバムを製造しては売りさばき、大もうけした男たちである。

「幕末漂流」著:松本逸也より

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今回お客様にお譲りいただいたアルバムには、
50枚の写真が収録されております。
私は江戸~明治時代あたりになぜか昔から愛着があり、
このアルバムが届いて
自分の手で表紙を開いたときは感動いたしました (*´-`*)ジーン…

普段手にする明治時代の写真といえば普通のL判くらいのサイズなのですが、
このアルバムの写真サイズはいずれも21㎝✖28㎝と大きく、
その迫力と美しさには目を見張るものがありました。

元の持ち主様のご好意で、このたび幣ブログに
これら50枚の写真をすべてご紹介させていただきます!
いわゆるこういった「横浜写真」は、スタジオでポーズを取った演出写真も
あるのですが、その事を考慮に入れましても、
明治時代の人々の息吹や空気を身近に感じることができる得難い資料です。
当時の風俗や風景を少しでも多くの皆様に感じ取って楽しんでいただけたら、
誠に嬉しく幸いでございます。
明日から1日10枚ずつ、アップさせていただく予定です、
ぜひどうぞお楽しみに!!:hoshi1::hoshi1: 

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本記事の参考文献:

:nikukyu:「幕末漂流」著:松本逸也/人間と歴史社


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