買取事例
昨日は再度の来訪にてリピーター様より、ちくま文庫、岩波文庫、講談社学術文庫、和本、歴史書、歴史資料、民俗学、専門書をお譲りいただきました
仏文学者・古書コレクターの鹿島茂さんの本が入荷致しました!
「病膏肓に入る」ー鹿島茂の何でもコレクション 鹿島茂
30年にわたって鹿島茂さんが国内外で蒐集した、全60点ものコレクションがオールカラーで掲載されています!
生活の友社「アートコレクターズ」で掲載されていた連載コーナーを書籍化されたものです
あ~この本を眺めていると、骨董品とまでいかねど、やはり古道具が集めたくなってしまいます~
フランスの蚤の市、行ってみたい~憧れます
買取に同行させていただき、素敵な骨董品や古道具を、お客様からお見せいただく時はいつもワクワクドキドキ、しております。
(くまねこ堂では古本の他、骨董品、古道具もご一緒に出張買取させていただいております!ぜひこの機会に合わせてご用命くださいませ。)
ありがとうございます。
んも~古いモノってなぜこんなに魅力的なのでしょうか~
お金が無限にあったら、アンティークのあふれるお部屋にコーディネートして住みたいです!
かこさん
杉並区高円寺にて、クラシックCD、ジャズCD、最新ビジネス書をお譲りいただきました
人気ブログランキングのバナーが、12月に入りクリスマス一色になっております!私の頭の中でも、もう既に、ジングルベルが鳴っています
すごく可愛らしいですね!今月のブログバナーもブログとご一緒にぜひ楽しみにご覧くださいませ
今回は、ハッとするような蛍光オレンジの本を見つけましたので、ご紹介させていただきます
「円と四角」松田行正(構成)向井周太郎(解説)
西洋の錬金術関係の護符・宇宙図から、東洋の古い護符、等々、520点もの円形と四角形に昇華された図版が一堂に集結した一冊です!
このように、ひとつの図形ごとに解説も記載されています!
こちらは呪文のようにカリグラフィーが絡み合い、絶妙な配置によって四角を形成している図面です。自分で描けそうで、上手く描けないやつですね!
こちらは動物やら小人やらが円形に行列を成しています。
ベルギーのアト市で今も行われている巨人像行列の行進順序が描かれている図面だそうです。
自分の場所は~と、これを見て行列に参加する人が確認して並ぶ姿を想像すると、
なんだかとっても微笑ましいです
沢山の図面を眺めているうちに、ステキなアイディアがひらめきそうです
かこさん
和本、郷土史、歴史資料、民俗学、講談社学術文庫、ちくま文庫、岩波文庫をお譲りいただきました
昨日は茨城県日立市のお客様より、和本、郷土史、歴史資料、民俗学、講談社学術文庫、ちくま文庫、岩波文庫と、絵葉書、ポストカード、切手、記念コインをお譲りいただきました。誠にありがとうございました!
そして本日は「佐藤栄作日記」(朝日新聞社)をご紹介したいと思います!
激動の時代・昭和を語る時に欠かせない人物のひとりとして挙げられるのが内閣総理大臣であった佐藤栄作(1901-1975)ではないでしょうか?
教科書で必ず学ぶ「沖縄返還」を成し遂げ、「非核三原則」を提唱したことによって晩年にはノーベル平和賞を受賞された方でもあります。
その佐藤栄作氏が遺した日記を書籍化したものが本書で、日記と言えば「岸田劉生日記」「古川ロッパ日記」などがありますが、本書は佐藤栄作氏の生涯はもとより戦後日本および政治のあゆみを知ることができる大作になっております!
実はわたくしはお墓巡りも趣味のひとつとしているのですが、佐藤元総理のお墓は本願寺の和田堀にあり(最寄りは明大前駅)、門をくぐってすぐのところに堂々と存在感を放っております。
ちなみに、同じ墓地には九条武子夫人、樋口一葉、中村汀女などの文学者のほか、古賀政男、笠置シズ子、服部良一、水谷八重子などなど…音楽界、演劇界の人々のお墓が集まった名門です!
尚、佐藤栄作元総理の寛子夫人も当時としては若々しい姿が世のシニア層に注目を浴び、多くのメディアで取り上げられてもいますね。
ご夫妻ともに音楽や演劇などにも理解をしめしておられ、寛子夫人は宝塚歌劇団出身のシャンソン歌手・越路吹雪さんの後援会長もされておりました。
そんな佐藤元総理が亡くなって今年で42年。本格的に戦後政治のあゆみをたどりたい方にオススメしたい一冊でございます!
byこばちゃん
整体指導者・野口晴哉(はるちか)。著書のご紹介!:横浜市都筑区より即日出張買取いたしました
本日は野口晴哉(はるちか)の書籍をご紹介したいと思います!
Wikipediaによれば野口晴哉(1911-1976)は整体指導者ということですが、これらの書籍を手に取ると整体に留まらず、優れた教育者としての一面も大きかったことがわかります。
この野口氏の来歴もなかなか興味深いもので、戦後、出入りしていたお宅の奥様と駆け落ちしたという事件は「昭和のノラ事件」(ノラ=イプセン「人形の家」の主人公で、家庭を捨てて女性として生きていく道を選ぶ女性)といわれたそうで、お相手は近衛家出身の方ということからメディアを騒がせたのちに結婚されたとのこと。買取をさせていただいた中には、その昭子夫人の著書「朴歯の下駄」も含まれておりました。
また昔から子育て本というものは存在しておりますが、その多くが時代的な価値観によって書かれたものであるため、古い子育て本を現在の教育に取り入れるとなると多くの問題が発生するわけですが、この野口氏が書かれた「潜在意識教育法叢書」は整体の専門家が書かれたということもあり、子供の目線を大切に体や脳のメカニズムを軸として時代に流されない独自の教育論が展開されております。
野口氏は大正時代に生まれマイナーな言葉であった「整体」という言葉を普及させた功績者ということで、多くの整体師のお弟子さんを養成・輩出した方だそうです。
子供ばかりではなく人材育成なども課題となっている昨今、これらの書籍から多くのヒントが得られそうです!
byこばちゃん
レコード、ソノシート、CD(アニメ主題歌)、ダイヤのA全巻セット、硯箱、墨、紫檀の文箱をお譲りいただきました@江戸川区葛西
街でよく見かける、このツタのような植物の装飾、見ているだけで優雅な気分になります
『唐草抄 -装飾文様生命誌』牛若丸
そんな唐草模様の起源を世界規模で追いかける一冊が入荷いたしました!
↑こういったアラベスクの装飾を目にすると、なんとなくヨ~ロピア~ンなロココ調の建築物を私は思い出してしまいがちですが、唐草模様の起源は古代エジプトとされているそうですよ!
様々なデザインで世界中に親しまれる、日常にあふれるモチーフ。
その歴史は人類の美学と共に歩み続け、大変奥が深そうです
唐草模様伝来マップ!
伝来のルートもまるでツタのようです!
かこさん
★本日は杉並区高円寺まで伺いました★お茶道具、菊池政光、鉄瓶、七宝焼、ジャガールクルト アトモス、展覧会図録、料理本を買い取らせていただきました
くまねこ堂は画集、美術書、展覧会図録、もしくは額縁や絵画そのものをお譲りいただく機会が多く、絵画鑑賞が好きな私フジタンはわきわきと浮足立ってお仕事させていただく毎日でございます。今回もお客様から「印象派美術館」(小学館)という本を買い取らせていただきました。
というわけで、今回は印象派について少しお話いたします。
印象派は19世紀に生まれた美術のグループです。表紙の「日傘をさす女」を描いたモネをはじめ、ルノワール、ドガ、スーラ、マネなど 多くの巨匠が誕生しました。
「光をとらえる」という理念のもとに各々が試行錯誤を重ねた結果、絵画には画家自らの精神性や哲学、社会思想が強く打ち出されることとなり、のちのシュルレアリスムや現代美術に与えた影響は計り知れません。
また、産業革命の影響もあり絵具の置き方などに科学の技法が用いられ始めた時代でもあります。近代美術はここから始まった、といっても過言ではない重要な時代でした。
さて、多くの名画が誕生した印象派の時代の中でも私が一番好きな作品が、何を隠そう「日傘をさす女」なのです。モネが1875年(明治8年)に発表したこの絵は妻・カミーユと息子・ジャンをモデルとしており、カミーユの死後、モネは再婚相手・アリスの連れ子をモデルに同じ主題の作品を2枚制作しています。
日傘をさす女は後に描かれたものほど輪郭がぼやけていき、風景と同化していきます。まるで違う世界に旅立ってしまうような感覚……。
現在では、後に描かれた2枚は亡きカミ-ユへのレクイエムなのではないか…という説が浮上しています。日差し暖かい丘の向こうは、もしかしたら黄泉の国なのかも?
子どもの時から良い絵だなぁ~と思っていたのですが、数年前に絵にまつわるエピソードを知ってから、逆光の中にたたずむ女性の表情に瞬く間に魅入られてしまいまして……今ではスマホの壁紙に設定する始末です。
あぁ、いつかレプリカとか入荷しないかなぁ。
光の移ろいをとらえた美しい名画の数々、しかしカンバスの裏に描かれた画家たちのエピソードを読み解くと絵画は違った側面を見せ始めます。そこに気づいた瞬間の何ともいえない快感こそ、私が美術書を読んでしまう理由なのでしょう。
フジタン
千葉県市川市新田のお宅まで[即日出張買取]に伺いました!漫画文庫版全巻セット ゲームソフト ダイの大冒険 スラムダンク クロスゲーム愛蔵版 DVD 七つの大罪
本日は、秋の落ち葉散る夕暮れに読んでみたい「乙女の港」川端康成・著をご紹介させていただきたいと思います!
この「乙女の港」は昭和13年に実業之日本社から出版されたものが初版ではありますが、本書は戦後の混乱期である昭和21年に中原淳一が経営するヒマワリ社から出版されたもの。
大きさも通常の単行サイズからB5サイズへと変更されておりますが、見て下さいこの中原淳一が描く表紙の美しさ!
この版の出版の際に書き下ろされたものと思われますが、時代は敗戦直後の荒んだ時代。実際は食べる物がなく、街には復員兵や戦災孤児があふれかえり、衣食住の保証もないという、日本人が最も苦労を背負った時代。
そんな荒廃した実生活の片鱗さえみることができない、この少女の可憐さ!色鮮やかさ!当時この本を手に取った少女たちは、どんなにか淳一描く乙女の姿に憧憬を抱いたことでしょう。
ページをめくっていたら「ぺんぺん草」の押し花が!
またノーベル賞作家のイメージが強い川端康成が少女小説を手がけていたことも興味深いところであります。川端といえば「雪国」「伊豆の踊子」などの文芸作品、あるいは「浅草紅團」のような風俗小説などを思い浮かべるところでありますが、さすがは文豪だけあって少女小説も一流に書きこなしているところは流石としか言いようがありません。
昭和の戦前期というと軍国色に塗られた苦しい時代とされておりますが、実際はモダン文化が花開き、甘美な少女文化の全盛期。
「花物語」「わすれな草」などを手がけた作家の吉屋信子はメディアに引っ張りだことなり、男装の麗人が颯爽と現れる少女歌劇が熱狂的に受け入れられたわけでございます。
中原淳一は戦前に宝塚歌劇団に関係し、昭和14年には宝塚の伝説的トップスター葦原邦子さんと結婚。
ヅカファンを公言されている瀬戸内寂聴さんはエッセイで「女のような淳一と、男みたいな葦原さんが結婚するときいてファンはとにかく驚いた」と回想されています。
本書を開くと扉に描かれたセーラー服の少女、まさか終戦直後の荒廃した時代に描かれたものとは思えない可憐さ清純さ!!!
スカートの丈、着こなし、ソックスの長さ、、どれをとっても現代的で驚かされてしまいます。
いや、むしろ、現代が中原淳一の美意識にやっと及ぶことができたと考えたほうがいいのでしょうか?
こばちゃん
[即日出張買取]古書、思想哲学、宗教、メンター、理工書、数学書、地質学、中村天風、安岡正篤、野口晴哉、ヒマラヤ聖者の生活探求を買受けいたしました@横浜市都筑区
日本におけるヨガ(ヨーガ)創始者、沖正弘氏の著作が入荷いたしました。
沖氏は戦後においてのヨガの草分け的指導者でその普及に努め、ヨガブームを作った立役者としてとして知られております。
今回の入荷書にもヨガとは何か、ヨガによる健康法と修練方法など、ヨガにまつわるあらゆる事柄が詳述されています。
とにもかくにも前述の古めかし~い古書からヨガ・健康法への知己を深めるのもよし!
仕事終わりのアフター5で気の合う女友達とはるばるスタジオへ参じ、カラフルなスポーツウェアを身にまとい~のホットヨガもよし(イメージ画像参照)!ピラティスでインナーマッスルを鍛えるもよし!ヨガは産前・産後にもよし!
多様なアプローチで真摯に物事に勤しむ行為の尊さに気づかされたような今日このごろでした…
モモコ
【遺品整理・遺産整理のご依頼】美術展図録、展覧会図録、伊藤若冲、長谷川等伯、アニメCD、主題歌CD、植木等、昭和歌謡、リトグラフ、絵画を買受け@世田谷区上野毛より
「大日本帝国陸海軍 軍装と装備」(潮書房1972年・中田商店2010年)の1・2巻をお譲りいただきました!
中田商店といえばミリタリーマニアには広く知れ渡った名店で、上野アメ横には店舗も構えられていますね。
本書は軍服や軍装品が写真とともに事細かく網羅されており、それはそれは圧巻です!!!
私は特にミリタリーマニアではありませんが、あまりのマニア書っぷりに思わず引き込まれてしまいました。ミリタリーマニア永遠のバイブル書なのではないでしょうか?
当くまねこ堂では古本ばかりではなく骨董も扱わせていただいており、軍服や大礼服、軍装品が入荷されることも多いので、形や階級の特定に難儀すること幾たび…
襟章の星ひとつ、あるいはライン一つ見落としただけで階級が全く違ってしまいますので、軍服や軍装品の検品時はより集中しなければなりませんが、そんな時にこの2冊があればこれらの商品について特定することができますね!
1、2巻とも図鑑の形式となっておりますが、特に2巻は明治から昭和20年までの写真を数多く使用しており、私が気になったのは明治時代に撮影された中国の人々の軍装写真。
以前観たことがある新東宝映画の伝説的ヒット作品「明治天皇シリーズ」のいずれかの作品の一場面で、清国(中国)軍との戦闘場面が描かれていたのですが、清国軍の軍装が中国の伝統衣装のような形だったので、イメージ通りの清国人を描き出すために誇張したような衣装を身につけさせて映画撮影をしたんだろうなぁ、新東宝らしいなぁ~と思っていたのですが、なんと日清戦争時代の清国の軍服は伝統衣装のような様式は事実だったんですね!?大蔵貢さんおみそれいたしました。
また韓国や朝鮮の軍装写真とされている図録も掲載されておりますが、こちらはどうしたことか戦闘向けではない、いかにも動きにくそうな装いですね~。
これは将校などのみで、前線で戦う兵士の軍服は別にあったのでしょうか?ちょっときになるところです。
それにしてもマニア商材はなんにしても奥が深いですね~、色々と勉強になりました!
byこばちゃん
渋谷区代々木のお客様より、特撮映画のパンフレット、アニメDVD、音楽DVDなどを即日出張のご依頼にて買い取らさせていただきました
お客様から保坂和志の『カフカ式練習帳』をお譲り頂きました。
わたしが初めて保坂和志を知ったのは、YouTube上にジュンク堂からオフィシャルでアップされている、『保坂和志×山下澄人 書く気のない人のための小説入門』という対談動画でした。それから何度この映像を繰り返し観たかは思い出せませんが、保坂和志の文章も語りも、普段脳の使っていない部分を触られるような自由闊達さがあり(横滑りしていく思考も、飽きたらやめてしまうところも)「あぁ、もっといろんなことを考えてみたい、もっと読んでみたい」と歓びと高揚感でいっぱいになってしまいます。
保坂和志の著作の中には、小説だけでなく、『小説の自由』『小説の誕生』『小説、世界の奏でる音楽』というクレスト装の小説論三部作があります。新旧問わず古今東西の小説、宗教書、哲学書などのさまざまなテキストから絵画、映画、彫刻、実人生の体験などを交えながら「小説とはなにか」を前へ、前へ推し進めていく本なのですが、テクニックや話法、展開の仕方などの既存の小説論から遠く遠く離れた場所で書かれており、もはや小説だけにとどまることなく、わたしはこれを何度も読むにつれて世界の知覚の仕方そのものが書き換わってしまうような体験をしました。
『小説の自由』の目次は
第三の領域
私の濃度
視線の運動
表現、現前するもの
私の解体
それは何かではあるが、それが何なのかは知りえない
私に固有でないものが寄り集まって私になる
身体と言語、二つの異なる原理
彼が彼として生きる
病的な想像力でない小説
視覚化されない思考
散文性の極致
と分かれていますが、もう何度読んでも面白い!視界が開けていくような開放感と喜びを感じるのですが、どこが、どう面白いのかうまく指させない面白さで、ただの信仰告白のようになってしまっていますがとにかく面白い。
保坂和志の薫陶をへて、磯崎憲一朗や山下澄人という小説家が出てきましたが、この二人と保坂自身も共通している書き方は、事前にプロットをつくらずに、目の前の一文を書いていくことです。彼らの本を読んでいくときに、共通している感覚は、いったい長々と何の話をしているのからわからず、どこに連れていかれるのかもわからないのに、ずっと面白いという点です。作品が作者に従属しておらず、小説が作者を超えて、書くことに、小説に奉仕しているという印象をわたしはうけます。
決して何か前向きなことや紋切り型のポジティブな言葉が書いているわけでもないのに、圧倒的に彼らの文章から力強い世界の肯定を感じるのは、結論も結末もなく目の前の一文を書いていくこと、が、目の前のこの生を未来に従属させることなく生きることにも似ているからでしょうか。
息苦しい時こそ、わたしは保坂和志の本を開きます。
タテ