狂王ルートヴィヒ2世とワーグナー「ローエングリン」 

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 現在3位です、どうも有難うございます!   昨日のワーグナーの歌劇「ローエングリン」、こぼれ話。 ワーグナーといえば、彼の絶大なパトロンであったバイエルンの王、 「狂王」とも呼ばれたルートヴィヒ2世(1845-86年)の存在を抜きに語ることはできないでしょう。   (ルートヴィヒ2世) 若き日の並はずれた美貌、いささか精神に異常をきたしていたとも噂されたその謎めいた生涯、 未だに真相がわからない謎の死などでミステリアスな伝説に彩られており、 ルキノ・ヴィスコンティ監督の「ルートヴィヒ/神々の黄昏」という映画でも有名です。 ワーグナーの芸術に傾倒したルートヴィヒでしたが、 中でも特に「ローエングリン」は彼がワーグナーに心酔するきっかけとなった作品であり、 格別に愛したオペラだったようでございます。 松岡正剛さんの「千夜千冊」に、ジャン・デ・カール著「狂王ルートヴィヒ」(中央公論社)が 取り上げられておりましたので、抜粋して載せさせていただきます。 ———————————————————– 15歳、ついにルートヴィヒはミュンヘン王立国民宮廷劇場で『ローエングリン』を見て、 感動に打ち震え、言葉を失った。ただそのときは、白鳥騎士ゴットフリートを演じたテノール歌手 アルベルト・ニューマンがすぐに心の恋人になった。 18歳、3度目の『ローエングリン』を見た。それからである。 ルートヴィヒ2世はワーグナーの所在を調査させ、自分はこの男のためにできることのすべてを 実行に移したいと決意したのは――。 ワーグナーこそが、ワーグナーの創造性のすべてこそが眷恋の偶像となったのだ。 ルートヴィヒは「月王」「頽廃王」「童貞王」「男色王」「死の王」でもあるけれど、 そもそもがローエングリンを絶対視できた「眷恋王」であったのである。 (中略) ルートヴィヒ2世が3つの城を築いたことはよく知られている。 とくにノイシュヴァンシュタイン城は壮絶である。 ベッドひとつに14人の彫刻家が4年を費やしたというもので、 「王座の間」は2階と3階のすべてがあてられ、 十二使徒伝説、聖杯神話、ローエングリン物語のすべてが所狭しと描かれ刳り貫かれて、 200万個の石材が動員された。 「歌手の間」には600本の燭台シャンデリアが輝いて、天井の黄道十二宮を眩しく照らした。 なにしろ全館が温風暖房で、当時は珍しい水道を引き、暖炉は回転してホットプレートとなり、 食事は昇降機によって運ばれたのである。 だいたい王の執務室の隣が洞窟で、模造された鍾乳洞で覆われたのだ。 こんなことたとえ映像だけでもフェリーニもパゾリーニも、ジャック・スミスも及ばない。 ヘーレンキームゼー城の食堂では中央の大理石の巨大な食卓が山海の料理を載せたまま 迫り上がってくるという仕掛けにもなっていた。これに較べればハリウッド・バットマンの居城など、 まるでディズニーランドか、コンビニなのである。 (抜粋) http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0781.html ———————————————————– これがその、ノイシュヴァンシュタイン城です。 ・・・うっとりするほどキレイでございます、 まるで夢の中からそのまま現れたかのようなお城です、 ああ、行ってみたい・・・:oops::heart: 芸術のために、ワーグナーのために、 そしておのれの城建設のために莫大なお金を費やしたルートヴィヒ2世、 その浪費は臣下からしてみればたまりません。 (なんせノイシュヴァンシュタイン城の建築だけでも、250億円くらいかかったといいますから・・汗) しかし王様としては失格だったのかもしれませんが、 このルートヴィヒのおかげでワーグナーという偉大な芸術家が 自らの才能をいっそう開花することができたわけですから、 いやはや、世の中何がどう幸いするかわかりません。 ところでおととい私が見に行ったバイエルン国立歌劇場(ミュンヘン・オペラ、17世紀半ばに創立)は、 その名の通りかつてルートヴィヒが王であったバイエルンのオペラハウスであり、 ルートヴィヒの庇護のもとワーグナーの作品上演にも密接に関わった劇場ですから、 今回の「ローエングリン」も劇場の威信をかけて放つ縁の深い作品でありました。 そういった意味でも、今回の公演に足を運べたことは非常に喜ばしく、 感激もひとしおでございました。 ちなみにおとといの公演がきっかけで、 ワタクシ久々に「ローエングリン」にハマっております!(笑) 仕事場でもずっとCDかけて陶酔しながら仕事してます!(;´∀`)ハアハア(仕事になるのか!?)  名盤はもちろんたくさんありますが、 私はラウリッツ・メルヒオール(1890~1973・テノール)が最高ーーー!!(叫)

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