超絶技巧の根付師・森田藻己の弟子、深井藻壽(2)


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(続きです)
深井藻壽は1937(昭和12)年、20歳の時に森田藻己に入門しました。
しかし1943(昭和18)年に藻己が亡くなったため、
師事していた期間は6年間ということになります。

今回の買取りでは、藻壽の未完成作品(練習なのか、製作途中なのか、
あるいは依頼主との打ち合わせで使った試作品だったのか、いずれも不明ですが)を
多数お譲りいただいたため、藻壽の制作過程に触れる意味でも
大変興味深かったです。

たとえばこれは、菊花の根付の未完成品なのですが、
「骨董緑青35 近代彫刻の神技 森田藻己の世界」に、
藻己作による「木彫菊花根付」というそっくりな作品がありました。
ひょっとすると師の作品を見ながら、練習したのかもしれません。

↓ 裏面です。

 

 

こちらの未完成根付には、小さな船に、小さな小さな乗客が乗っています。
数えてみたら、7人(船頭1人+乗客6人)と、
そしてよく見たらお猿さんも1匹乗っていました!

途中までしか彫られていないものの、
船を漕ぐ船頭、扇を持って立つ侍、きちんと着物を着た髪を結った女の人、
そしてお猿さんなど、
きちんとキャラクターが設定されているのがわかります。
もしこれがきちんと完成していたら、一体どんな素敵な作品になったのだろう・・と
思わず想像してしまいます。

そしてこちらも、「骨董緑青35 近代彫刻の神技 森田藻己の世界」で
藻己作の似ている作品を見つけました。


「牙彫渡し船根付」作:森田藻己

侍、猿回し、町人、髪を島田に結った町人の娘が渡し舟に乗り、
船頭は腰に煙草入を提げている。僅か数センチの中に人物6人と猿1匹を彫り込み、
しかもそれぞれの人物の着物の柄まで彫っているのには驚かされる。
(「骨董緑青35 近代彫刻の神技 森田藻己の世界」より)

ちなみに藻己は、拡大鏡は使わず直接肉眼で彫ったそうですから・・
その神業ぶりがうかがえます(汗)

(続きます)


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