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ちくま文庫の「山田風太郎明治小説全集」が8冊入ってきまして、
今読んでおります。
いやあ、これがやっぱり面白い。
全14巻なので、あと6冊あるんだよね、また入ってこないかしら~!(笑)

内容は、はっきり言ってかなり荒唐無稽です、
3,4巻の「幻燈辻馬車」なんて、ピンチの時は幽霊が来て救ってくれるんだから!(笑)
でもそんな絵空事でも、すごい迫力でぐいぐい引き込まれて
思わず夢中で読み進んでしまうのは、やはり筆の力量以外の何物でもないのでしょうね。
やっぱりすごいです、山田風太郎

登場人物がこれまた賑やかで、架空のキャラクターももちろんいますが、
明治時代の実在の人物達がきら星の如く登場し、
偉人達だって風太郎氏の手にかかればすんごいことになっちゃいます(笑)
どの人が実在の人物で、またどこまでが本当の史実に基づいた話なのか、
私は歴史に明るいわけではないので時々混乱しちゃったりもしますが
その、現実なのかはたまた夢うつつなのか、境界線が曖昧な感じが
独特な妙味になってまた面白いのです。

さて、11巻の「ラスプーチンが来た」を読んでいたら、こんなくだりがあって
思わず苦笑してしまいました。
あのお茶の水のニコライ堂を建てた、ニコライ大主教が登場している場面なのですが、

(抜粋)
すでに1886年(明治二年)、彼(ニコライ大主教)が
故国の--ドストエフスキーが「罪と罰」を連載した--雑誌「ロシア報知」に発表した
「キリスト教宣教団の観点から見た日本」という論文がある。
これを読んで作者は大変感ずるところが多大であったから、
ここで紹介させていただきたい。
「--上からは絶対宣誓、下はひたすらの盲従、無知、愚鈍、
 そして同時に泰然たる自己満足と傲慢、その結果たる純重と停滞。
 --これが東洋の諸国家についてのわれわれの理解に必ずついてまわる概念である」
と、彼はいう。
しかるに、日本だけはそうではない。
「日本人は、あたかも古い着物を棄て去るように、それまでの文明を投げ捨てる。
 そして、臆面もなくと言いたくなるほどの大胆不敵な手つきで、
 ありとあらゆるヨーロッパ的なるものにつかみかかっている」
「もし物理的に可能であったら、日本人全体の半分が外国へ学びに出てゆく。
 そう言っても決して過言ではない」
そして日本人は、現在のヨーロッパの民衆に比較して
はるかに好条件の市民的権利を持っているのに、なおそれに不満をいだき、
「商人は、実際にはその税は決して重くないのに、あれやこれや税のことで不満を言い、
 農民は年貢の取り立てで愚痴を言う。また、誰もかれもが役人を軽蔑していて、
 『連中と来たら、どいつもこいつも袖の下を取る。やつらはろくでなしだ』と言っている」
「そして民衆はおしなべて、この国の貧しさの責任は政府にあると口をそろえて非難している。
 --それでいてこの国には、乞食の姿はほとんど見かけないし、どの都市でも、夜毎、
 歓楽街は音楽と踊りで賑わっているのである(中村健介訳『ニコライの見た幕末日本』)」
これがニコライの見た「幕末」日本であったかと聞くと驚かざるを得ない。
これは昭和後期の日本と同じではないか。
--また「東洋諸国家」も、百年後、同じではないか。
そして、ニコライの批判した東洋の特徴は、昔も今も、
ロシアにも頑然と存在する特徴ではないのか?
(抜粋)

この、文中で引用されているニコライの論文が書かれたのは1886年、今から124年前のこと。
そしてこの「ラスプーチンが来た」という本が山田風太郎によって書かれたのは
1984年のことのようですから(ウィキペディアより)、今から26年前ということになります。
興味深いですねえ・・。
偶然ですが今日は参議院選挙でしたから、
なんとなくタイムリーな話題となりましたね(;^^)

 

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