買取事例

文学・全集・初版本などをお譲りいただきました!

今年は雪のたくさん降る冬ですね。
寒さ厳しい折、皆さまどうぞご自愛くださいませ。

先日は、新宿区白銀町に即日出張買取に伺いました!
くまねこ堂は、条件が合えば、ご連絡いただいたその日にまいることも可能です。
お引っ越しなどで整理をお急ぎの方も、どうぞご利用ください!

さて、今回の買取では、全集、また三島由紀夫や宮澤賢治などの文学を主にお譲りいただきました。
以下の三島由紀夫『豊饒の海』四部作は、全て初版本です。

三島由紀夫 買取

四冊揃って入荷いたしました。

三島由紀夫 買取

 

『豊饒の海』は、三島による長編小説で、輪廻転生によって繋ぐ夢幻的世界が特徴です。
平安後期の『浜松中納言物語』などに影響を受けつつ、世界を解釈していこうとする姿勢が見えます。それ故に難解でもありますが、三島文学を知りたいという気持ちがあるならば、是非とも呼んでみたい作品です。
また2018年には、東出昌大さん主演で舞台化もされており、現代でもホットな作品でしょう。

加えて、三島は、この『豊饒の海』の第四部「天人五衰」の最終回原稿を書いた後に、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決しています。
そのため、『豊饒の海』は、三島個人の死との連関からも研究されることが多いようです。

三島文学を知る上でも、三島個人を知る上でも、重要な作品であるのですね。

個人的には、三島文学には、その文体のきらきらしさに魅了されそうになりつつ、怖さも覚えます。その美しさで隠されたものは何なんだろう、と気になります。

三島はたくさんの作品を書きました。現在も評価は高く、研究の蓄積もあります。
じっくりと読み、また知っていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

コトー


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このブログを書くために、以下を参照しました。
新潮社『豊饒の海』ページhttps://www.shinchosha.co.jp/book/105049/
ジャパンナレッジ『日本大百科全書』「浜松中納言物語」項https://japanknowledge.com/introduction/keyword.html?i=765
広島女学院大学・中尾莉奈「『豊饒の海』論-三島由紀夫による「世界解釈」の視点-」学位論文要旨http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/hju/metadata/12124
パルコステージ「豊饒の海」ページhttps://stage.parco.jp/web/play/houjou/

PCやIT関連書籍、ゲームソフトなど!出張買取に同行いたしました。

本日もくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。

 

先日は東京都葛飾区のお客様よりご連絡いただき出張買取に伺いました。                                                   

PC技術書、IT専門書、PSVITA、ニンテンドー3DS、PS4やPS3のゲームソフト、青年コミック、フランス文庫などをお譲りいただきました。

誠にありがとうございました!

ペルソナ5です!

私も買ってはあるのですが積みゲーと化しています…名作と名高いので腰を据えてプレイしようと思い早数年、時間がない!これが大人!

グラビティデイズ!

町の中を歩き回るだけで楽しいです。楽しすぎて気付いたら朝になっていて絶望したことが何度もあります。そんな素晴らしい作品です。

 

当初はPCやIT関連の書籍の買取の予定でしたが、ゲームも扱っている旨お伝えしたところお譲りいただけることとなりました。ご整理のお力になれたこと嬉しく思います。

 

くまねこ堂では古本や骨董品などは勿論、ゲームも取り扱っております。ソフトorハード、新旧は問いません!是非何でもお見せくださいませ!

また、お客様からのご感想やレビューなどいただけますとスタッフも大変嬉しいです。
日々の励みになりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

トリ

 

 

 


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つぶらな瞳に既視感👀昭和の漫画雑誌の付録まんがで見かけた🍭太田じろう

「普段はあんな所で活躍している人が、実はここでも活躍していた!」
というような、
元々ファンだった人の、二足の草鞋情報👣を得た時、

その人の事を、もっと好きになっちゃうコトって、ありませんか??笑

 

以前とっとこハム太郎の作者、河合リツ子さんが小学館の学年誌で連載されていたスーパーマリオについて
ブログで掲載させていただきました。その時と同類のネタ記事となります。

私は、上記のような事を知ることが出来た時、
アドレナリンがばばば~と出て、もうそれだけで
「なんて最っっ高の一日なんだ!!!」と、
生きてて良かったと、明日も頑張れる気持ちになれます。

今回はこちらの漫画を整理していてアドレナリンが出たので、ご紹介させていただきます。

漫画雑誌ふろくまんが 買取

がんばれガン太/太田じろう 

昭和31年発行、漫画雑誌「少年」のふろくまんがです。
まあ、おもいっきし作者名は書いてあったのですが、
名前より先に、キャラクターのお顔に目がいってしまいまして・・・(ごめんなさい)。

 

漫画雑誌ふろくまんが 買取

ムム??

なんかこの瞳、見たことーーーー

 

クッピーーーーーラムネの人ーーーーーーーー!!!!!!!!!!(アドレナリンどばどば)

漫画雑誌ふろくまんが 買取

(※↑こちらはクッピーラムネ/カクダイ製菓株式会社公式サイト様にて
2022年2月現在無料配布の壁画です。昭和レトロ大好きな方は是非、無料配布の壁画をgetしてくださいね👍)

 

・・・といった、「瞳」で好きな絵師だ!と、気が付けたこの喜びを、
どなたかと分かち合いたくて、
ブログにしました。しょうもなくて申し訳ございません。

 

 

漫画雑誌ふろくまんが 買取

 

漫画雑誌ふろくまんが 買取

 

昭和30年代に連載されていた「がんばれガン太」は相撲少年の出世街道物語なのですが、

見れば見るほど、代表作の「こりすのぽっこちゃん」の事も連想させる、

とってもキュートなお顔のお相撲さんですね。罪深い・・・。

 

 

ちなみに、この他にもお客様からお譲り頂きました、
沢山のふろく漫画を楽しく!素早く!整理していました。
本当はもっとじっくり見たいですけれど、そりゃ仕事ですから~~🔥
でもほんと毎日様々な古本や骨董を拝見させて頂けて、とっても幸せです。
ありがとうございますっっ!!

下の画像はその一部の漫画の裏面を撮影したものなのですが、
当時の裏表紙の広告も、クセが強くて面白いものばかりです!

漫画雑誌ふろくまんが 買取

 

漫画雑誌ふろくまんが 買取

↑これ、少年誌の付録のことですかね?ちょっと何言ってるのかわかんない☺笑

今回ご紹介させていただきました雑誌付録のように、
バーコードが付いていない本や、
書店で単品としては販売されていなかった冊子などなど、
どのように処分や整理をすべきか悩ましいお品物がお家に眠っていましたら、
市販の書籍やCD、骨董などの買取依頼とご一緒に♪
ぜひ一度くまねこ堂にご相談くださいませ🤭
スタッフ一同お待ちいたしております!

 

 

かこさん


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『衛藤瀋吉著作集第2巻 東アジア政治史研究』(東方書店、2004年)を紹介します。

 受験シーズン真っ只中ですが、いかがお過ごしでしょうか。かつての(ツラい)出来事を思い出した方、あるいは、これからの試験監督業務に不安を抱えている方もおられるかもしれません。

 私自身、振り返ってみると、問題を解くということや、点数を上げることに気を取られて、むやみに苛立っていた記憶があります。そんなことよりも、そもそも問題がどのように作成されているのかについてもっと考えるべきだったと気づいたのは、大学受験が終わってからのことでした。

 というのは、大学に入った当初、一番印象的だったのが、図書館の圧倒的な蔵書だったことと関係があります。新潟県の中でも田舎に属する市の出身の私には、大学図書館の書架を前に驚くばかりでした。たとえば、中央公論新社の『日本の近代』シリーズは全16冊もあります。近代の区切りでこの規模のシリーズなのです。それまで高校日本史1冊を覚えるのに奮闘していた日々が、一瞬で情けない記憶に変わりました。それら膨大な研究成果のごくごく一部を、高校生でも理解できるような形で配列されているのが教科書にすぎなかったのか、という思いに駆られました。

 しかも、『日本の近代』シリーズにしても、その内容の基礎となっているのは、個別の事例を原史料に基づいて詳細に検証した論文や単著であることにしばらくして気づきました。それは、各巻の参考文献一覧の膨大さから想像されたことではありました。そこで、文献一覧の本を並べ、おそるおそる元ネタ探しをしてみると、これだったのか!とホッとしたり、引用元で初めて知る事実に驚いたりする体験をしました。そうして私は、本の出典をさかのぼって読むことにハマっていきました。とりあえず、これを「さかのぼり読書」と呼んでおきます。一方で、古い本の場合は、その後にどのような研究があるのか、と自分なりに系譜づくりをするようになりました。

 今回の投稿が、紹介する本を通じて、そうした歴史研究の歴史をたどる読書の一端を示すことになればと思っています。

 まず紹介するのは、最近入荷した以下の本です。

衛藤瀋吉

 『衛藤瀋吉著作集第2巻 東アジア政治史研究』(東方書店、2004年)です。その中で第2部の「京奉線遮断問題の外交過程――田中外交とその背景」と取り上げたいと思います。まずこの論文の初出ですが、それは篠原一、三谷太一郎編『近代日本の政治指導――政治家研究II』(東京大学出版会、1965年)に所収されたものになります。年代からすると古い研究には違いないのでしょうが、仮に発表された年号を隠して、同論文の冒頭部分を読んだ場合、どのような印象を受けるでしょうか。以下、引用します。

 「田中政友会内閣が成立したのが一九二七年(昭和二)四月二〇日。野党時代に、第一次若槻内閣のいわゆる幣原外交と、無為無策としてはげしく攻撃してきた政友会は、馬場明氏も説くがごとく、また後に本稿でも触れるように、一旦廟堂に在って責任の地位に立つと、中国の事態が必ずしも、いわゆる積極策で容易に片づくような情況でないことを、認識せざるをえなかった」

 上記の書き出しは、1920年代半ばの政権交代を伴う政党政治の時代にあって、中国に対する外交政策がどのように決定されたか、このことを検証する論文であることを示したものになっています。政権交代と外交との関係を扱っているがゆえに、2009年の民主党政権の成立以後の研究かと思われた方もおられるのではないでしょうか。衛藤氏は、この論文を切り出すにあたって、強硬な対中政策を掲げていた田中義一率いる立憲政友会が政権に就いた際、その野党時代の主張をそのまま実行することが難しいことに気づいたと述べています。しかしながら、田中政友会内閣は、いったんは前政権・憲政会内閣の外相幣原喜重郎による武力行使を避ける対中不干渉政策に接近しつつも、中国現地の邦人を保護するために山東出兵を決行しました。この山東出兵は、中国側との軍事衝突である1928年4月の済南事件の勃発につながってしまいます。

 結果的に政権交代によって日本の対中政策は大きく変更したとはいえますが、その変化の過程には微妙な問題がかなり含まれていたことが想像されます。そのため、受験勉強で覚えた政権と政策のセットをいったん離れて、当時の事実を詳しく知る必要があるのです。

 衛藤論文は、こうした田中内閣の対中政策の決定における紆余曲折について、従来(現在も)あまり知られていない微妙な事例を取り上げています。それは、日本が支援していた満州軍閥の張作霖と、北伐を進めていた蒋介石の中国国民革命軍との抗争に対して、田中内閣がどのように対処しようとしたのか、という問題です。当時、張作霖は中国北部に勢力を広げており、自身も満州を離れ同地に出陣していました。そこで、形成が不利になった張作霖が満州に帰還するがあれば、それへの妨害をほのめかしながら、日本の満州権益を一層強固なものにしようと考えた人物がいました。それは、在奉天総領事の吉田茂なのですが、そのような彼の腹案は、陸軍も驚くほどの強硬策だったのです。

 そして首相の田中も、吉田案を支持してはいませんでした。そこで、田中は正規の外交ルートを迂回して、南満州鉄道株式会社(満鉄)社長の山本条太郎を介して、張作霖側と交渉を進めていきます。山本と張作霖との交渉は、吉田の考えとは異なり、これまでの路線と同様、張作霖を支援しつつ、日本の満州権益を確保するという穏便なものにとどまっていました。

 こうして田中内閣の対中政策は、中国本土においてはこれまでの不干渉主義を覆して現地への出兵による邦人保護を実行しましたが、張作霖との満州権益をめぐる交渉では、外務省を迂回して、これまでの張作霖支援の路線にとどまりました。結果的に田中外交は、山東出兵が引き金となった済南事件の発生によって、蒋介石や中国本土の民衆からは北伐の妨害とみなされます。他方で、張作霖に対しては、日本は場合によっては彼を切り捨てる意思もあるというシグナルを送ってしまったのです。そうしたチグハグさは、田中が外務省を迂回するために満鉄を絡めた交渉を推し進めたことで、より増幅されていきます。こうして田中は、自らの政権の対中政策の統制を失っていきます。野党時代に対中強硬外交を掲げていた内閣による外交が、これほどまでに不統一であり、蒋介石と張作霖双方に対して不信感を抱かせてしまったことには、呆然とするほかありません。田中自身が呆然としていたのかもしれませんが、外交政策の統制を失ったからこそ中国で軍事衝突を起こしてしまったのだとするならどうでしょうか。強硬策を貫徹したのと同様、いやそれ以上に田中外交は危険な代物であったのではないか、とゾッとします。それとは対照的に、張作霖に対してはこれまでの穏健な路線であたったことで、田中はまたしても思いもよらぬ事態に直面します。それは1928年6月4日の張作霖爆殺事件です。首謀者は満州駐在の日本軍である関東軍の参謀らで、彼らは、張作霖を支援する穏健な政策に不満を抱き、張作霖を暗殺して一挙に日本の満州権益を固めようとしたのです。そして、この事件は田中内閣を総辞職に追い込むことになります。

 結局のところ、田中本人は対中政策の難しさをある程度理解していたはずなのに、野党時代に掲げた強硬姿勢が災いし、政権運営に失敗してしまったのでした。このことは歴史の教訓として重大な意味を持ちます。政権交代を伴う政党政治は、議会制民主主義にとって必要不可欠といっていいほど重要なものです。しかし、国内で政権の交代劇が頻繁に起こるのに、外交が不安定であっては、国民は怖くて仕方がないでしょう。それでは有権者が政権交代を忌避してしまいます。そのため、政権交代と外交の安定が結びつかなければ、議会制民主主義は成り立たないのです。政権交代を伴う政党政治ですから、政治が党派性を帯びるのは当然です。しかしながら、政権が外交政策でも国内の党派性を優先してしまうと、国際環境の変化や相手国の情勢を無視した非合理的な対外姿勢に陥ってしまいます。

 すなわち、上記の矛盾に注意深く、根気強く対処することが、民主主義を支えるために必要だということ、これこそが歴史の教訓なのです。田中外交それ自体は非常に問題含みであり、批判されてしかるべきものです。けれども、単に田中外交を詰るのみにとどまっていては、歴史に学んだことにはならないのではないでしょうか。民主主義を守りたいのなら、田中外交をめぐる詳細な事実を知り、政権交代と外交の安定の矛盾をどう克服していくか考えていかなくてはなりません。

 ところで、冒頭で「さかのぼり読書」の楽しさ、という話をしました。そういえば衛藤論文に「馬場明氏も説くがごとく」とありましたね。これが気になるので、該当の馬場論文を自宅から持ってきています。

日中関係と外政機構の研究

 上掲画像が、馬場明「第一次山東出兵と田中外交」『アジア研究』第10巻第3号(1963年10月)です(後に『日中関係と外政機構の研究――大正・昭和期』原書房、1983年所収)。馬場論文では、なぜ田中が、張作霖と蒋介石との抗争の最中に中国へ出兵しようとしたのか、その動機を示す文書が引用されています。田中の持論は「(満蒙に)共産主義分子ノ容入ルコトハ飽ク迄モ之ヲ防ク必要アリ共産的分子カ容入レハ経済上ノ基礎ヲ破ラレヤガテ我朝鮮統治ニモ累ヲ及ボシ終ニハ対露関係ニモ悪影響ヲ見ルニ至ル」であろう、というものだったのです。露はこの時代ではソ連を指します。この引用から、日本の対中政策を理解するには、日本側の対ソ連認識をふまえる必要があることがわかります。馬場氏は田中内閣の対中外交について、「満蒙地方政権を温存するための援張〔作霖〕策とともに、一面では〔中国〕南方における穏健分子、反共を標榜する蒋介石による中国本土統一への支援であり、援蒋策の含みももつものであったのである」と結論しています。したがって、田中外交からは、満州領有を目的として開始された1931年の満州事変や、ましてや中国との全面戦争となった1937年以降の日中戦争へと直接的にはつながり得ないのです。その上でなぜ、日本が満州事変から日中戦争、果てはアジア・太平洋戦争へと際限なく戦線を拡大していったのかが問われなくてはなりません。

日中関係と外政機構の研究

 馬場氏は、田中外交から満州事変に直結したわけではないこと、および日本の対中政策について、その動機の面にソ連および共産主義に対する認識が強く影響していることを、1963年の段階で指摘しています。これらの点は、後の日本外交史研究では、どのように扱われているのでしょうか。また、衛藤氏が指摘したような外交と内政の関係性をめぐる問題はどうでしょうか。実は、それら先駆的な指摘をふまえた、必読書があります。

酒井哲哉

 それは、酒井哲哉『大正デモクラシー体制の崩壊――内政と外交』(東京大学出版会、1992年)で、1930年代の日本の政党政治、民主体制について、同時期の日本外交、すなわち満州事変から日中戦争にいたる過程と関連づけながら、内政と外交両面の崩壊過程を描き出した研究です。外交過程の分析では、日本の対ソ認識の変遷を主軸に分析されています。

 「さかのぼり読書」の成果ということでいえば、1960年代初頭の先駆的な研究で指摘された微妙な事実関係を含んで、後にきわめて体系的な研究が発表された、という歴史学の発展を知ることができたことではないでしょうか。この感動をお伝えするために今回の記事を作成したのですが、少しでもその思いが皆さまに伝わっていたら幸いです。

 また、そうした全体像を学びつつ、次の本にも挑戦してみてはいかがでしょうか。

在満日系共産主義運動

 関東憲兵隊司令部『在満日系共産主義運動』(極東研究所出版会、1944年、1969年復刻)です。こうした現在では入手困難な書籍の流通にも取り組んでまいりますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

小野坂


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即日出張買取にもお伺いいたします!世界各国のちょっと不思議なお話🤭

いつもくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。
大手の買取業者ですと、出張買取までにお日にちや時間がかかるようですが、
当店は
★スケジュールが合えば即日出張買取!
★出来るだけ早い買取提案♪
も可能ですっ!
お引越しや、お片付け・ご整理のスケジュールがタイトだな・・・💦という方、
フリーダイヤルで是非くまねこ堂にお問い合わせくださいませ~!

今月のイベントといえばバレンタインですね!
大切な人に普段はなかなか伝えられない気持ちを伝えるきっかけとしてはいいものだと思います。あと私は単純にチョコレートが好きなので、売り場にチョコレートの商品が増えるのが嬉しいです(笑)

先日は東京都中央区の長年のリピーター様より新刊書の宅配買取をさせていただきました!ありがとうございます!

くまねこ堂では初版から一年以内の書籍は最低買取価格を保証しております。
本を売ることを視野に入れて購入される場合、読み終えましたらなるべくお早めにご売却されることをおすすめいたします😸

**************
今回はお譲りいただいた書籍の中から個人的に気になったものを紹介させていただきます。

「世界怪異伝説事典」 朝里樹 監修 えいとえふ 著

うわー、私好きそー😂(笑)
世界各国のちょっと不思議なお話がたくさん載っています!
アジア、大洋州、北米、中南米、欧州、中東、アフリカなどなど…本当に幅広いです😯
一個一個のお話は短めのものが多いのでとても読みやすいです。
パラパラとめくっていると

エチオピア連邦民主共和国
「ヤギ飼いのカルディとコーヒーの実」

おやおや?これは少し気になるなと思い読んでみると、
ある時、カルディというヤギ飼いが謎の赤い実を食べていたヤギが夜まで興奮していることに気が付き、自身もその赤い実を食べてみると、元気が湧いて晴れやかな気分になった。そしてこれが眠気覚ましの実として人々に広がった。その実こそがコーヒーの実だったというお話で、あの有名なカルディコーヒーファームの由来はここからきているそうです。

ってやっぱりー!!
確かにマスコットキャラクターがヤギですもんね!なんでなのかと思っていたらそういうことだったのですね🤭
あ、ちなみに私カルディ大好きでよく行っちゃうんですけど由来については全然知らなかったです(笑)
まさかこんなところでカルディコーヒーファームが出てくるとは思ってもみなかったのでびっくりしてちょっとテンション上がっちゃいました(笑)

他にも日本昔話の山姥が出てくる三枚のお札に似たようなロシアのお話、「妖婆バーバ・ヤガー」のお話があったり、名前は聞いたことがあっても内容を知らなかったお話を知れたり、色々な国のお話を知ることが出来て新たな興味が湧いたりする一冊でした😎

この本が気になった方はぜひこちらから!

**************

くまねこ堂では古本だけでなく、CDやDVD、ゲーム類、お茶道具、アクセサリーや時計、万年筆など、幅広いジャンルの商品を見ることが出来ます。
ちょっとしたご整理はもちろん、お引越しの際などの大量の不用品なんかも一度に見ることが出来ちゃいますよっ🙌

ご整理やご処分にお困りのお客様がいらっしゃいましたら、是非お電話、LINE、またはメールフォームにてお気軽にご連絡ください♪

またご満足いただけた際には口コミ、感想、評価などいただけましたら、スタッフの日々の励みとなりますのでどうぞよろしくお願いいたします😸

スタッフ一同心よりお待ちしております。

クウスケ


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数学、物理学、理工学、学習参考書などをお譲り頂きました。

いつもくまねこ堂ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

 

 

本日は生前整理のための片付けでご依頼をいただき、横浜市港南区へ出張買取にお伺いさせていただきました。ご家族が大学で数学の教授をされていたそうで、本棚には大量に所蔵されておられたバーコードのない本や全集などがビッシリ。店主が丁寧に査定を進め、数学、物理学、理工学などの専門書学習参考書などを大量にお譲りいただきました。その他にもお宅の中を丸ごと拝見させていただきまして、レコード、ビクター犬(ニッパー)、サンリオ、アクセサリーなどなど様々なお品物を追加で買取させていただきました。何件か他の業者様が来られた後だったようなのですが、結構まとまった買取金額となりお客様にもお喜びいただけたようで、こちらも大変嬉しかったです。誠にありがとうございました!

 

 

数学関係の専門書が大量入荷。写真には映りきりませんでしたが、この倍以上の量を買取させていただきました。誠にありがとうございます。

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レコードもビートルズやディープパープルなどの60年代~70年代のロック、YMOや荒井由実、笠井紀美子などの邦楽、和モノなど、いいところが多数入荷しました。帯付のものも多かったので大変ありがたいですね。ロックやジャズ、和モノなどなど、レコードの買取大歓迎です!

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くまねこ堂では古本やDVD/CD、だけではなく、古道具や骨董品、アクセサリー、レコードや古いおもちゃなどなど、様々なお品物の買取を行っております。ご処分をお考えの際はお気軽にご相談下さいませ。また、ご遺品整理などでお困りのお客さまは、是非くまねこ堂までお申しつけ下さいませ。お電話またはメールフォーム、LINEにて、お気軽にお問い合わせ下さいませ。スタッフ一同心よりお待ちしております!

 

 

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56さん

 

 

 

 

 


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リピーターの片付け業者様より出張買取のご依頼をいただきました。

いつもくまねこ堂ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
早いもので今年ももう2月です。少しずつですが、日が長くなってきたように感じられます。春が待ち遠しいですね。

 

本日はリピーターの片付け業者様よりご依頼をいただき、千葉県八千代市へ出張買取にお伺いさせていただきました。一軒丸ごと様々なお品物を拝見させていただき、セガ・マークⅢ、鉄道模型、Nゲージ、車のカタログ、パンフレット、外国のコイン、古銭、アクセサリーなどなど多数のお品物をお譲りいただきました。いつも誠にありがとうございます!

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こちらの1985年に発売されたセガ・マークⅢ(SG-1000M3)は、当時爆発的に普及していたファミコンのライバル機としてゲームファンに人気だった家庭用ゲーム機です。私はファミコンは持っていましたが、こちらは持っていませんでした。このゲーム機はSEGAのアーケードゲームの移植作がソフト化されたことが大きな特徴として挙げられるようですね。確かに当時SEGAのゲームセンターは人気でした。また、現在も続くRPGの人気作「ファンタシースター」の最初の作品もこのマークⅢから発売されております。ソフトはカートリッジタイプの他にも、前世代機にあたるSG-1000などで使用されていたセガ・マイカードにも対応。今回入荷したソフトは貴重な箱付きや説明書が付いているものなども多数。古いゲームソフトの箱や説明書などは残っていないことがほとんどなので、大変ありがたいですね。

 

 

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56さん

 

 

 


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サブカルの街、下北沢✨

いつもくまねこ堂ブログをご覧いただきありがとうございます。

もうじき2月になりますね。毎年風邪が流行る季節でもありますし、今は普段以上に予防対策をしっかりと行いたいですね。あとは免疫力が下がらないよう、バランスの良い食事、質の良い睡眠など規則正しい生活を心がけたいですね!!……それが一番難しかったりするのですが😂

先日は東京都江東区のお客様より即日出張買取にて実用書、美術書、ゲーム攻略本、趣味、音楽、ピアノ、海外文学、翻訳文学などをお譲りいただきました!ありがとうございます!

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私事ですが、先日下北沢が舞台の映画を観まして。下北沢という街の独特の雰囲気がいい味を出すのです。サブカルな雰囲気で有名な街ですが、私はまだ一、二度くらいしか訪れたことがありません。その時はザ・スズナリという劇場に舞台を観に行きました。映画の中でもそのザ・スズナリが出てきてなんだか嬉しくなりました🤭(映画などで自分が知っている場所が映ると嬉しくなるの、あるあるですよね笑)

本日は何の本を紹介しようか考えていたところ「下北沢」という文字が目に留まったのでこちらの本をご紹介させていただきます。

下北沢祝祭行 レディ・ジェーンは夜の扉」 大木雄高 著

音楽や演劇、文学、芸術。そういったサブカルチャーの聖地、下北沢。
そんな下北沢でジャズバー「レディ・ジェーン」のマスターを務める大木雄高さんの1998年~2006年までに書き記したサブカル的内容のエッセイです。
私自身サブカル文化について詳しくないものですから、読んでも内容を理解するのは難しいのですが、、(笑)
それを知らないものにはきっと暗号のようにも感じられてしまうような文章に、正直ちょっとクラッとしてしまうような感覚もありますが、文学的でクールな印象を受けました。

本書にも最初の方に出てくる「ツィゴイネルワイゼン」、この映画私も観てみたいと思いながらまだ観れておりません😂1980年の鈴木清順監督の作品です。
生と死、幻想まさにサブカル的な感覚が強い作品ですね。他にも本文には様々な映画や文学作品などライトからディープなものまでたくさんの作品が出てくるので知っていればもちろん楽しめますし、知らなければ新たな作品と出会えることになりますね😜

今は少し難しいかもしれませんが、下北沢でフラッとライブハウスや劇場に行ったりするのに憧れちゃいます。あとはバーに行ってみて個性的なマスターとの会話を楽しんでみたいという思いもあります(笑)
いつか挑戦してみたいですね!!🤭
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くまねこ堂では古本だけでなく、CDやDVD、ゲーム類、お茶道具、アクセサリーや切手、万年筆など、幅広いジャンルの商品を見ることが出来ます。

遺品整理や商品が大量の場合なども対応可能です!またタイミングが合いましたら即日出張買取でお伺いできる場合もございます!
ご整理やご処分にお困りのお品物をお持ちのお客様がいらっしゃいましたら、是非お電話、LINE、またはメールフォームにてお気軽にご連絡ください♪

また、お客様からの感想、レビュー、クチコミ、高評価などいただけますと、スタッフの日々の励みとなります!よろしければどうぞお願いいたします🐈

スタッフ一同心よりお待ちしております。

クウスケ


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岩波文庫化記念~グレゴリー・ベイトソン『精神と自然――生きた世界の認識論』佐藤良明訳(思索社、1982年)について

 いつもくまねこ堂ブログをお読みいただきありがとうございます。

 そういえば去年、情報科学の分野の書籍ということで、ノーバート・ウィーナー『サイバネティックスはいかにして生まれたか』鎮目恭夫訳(みすず書房、1956年)を紹介しました。

※サイバネティックス創始者のノーバート・ウィーナーの自叙伝が入荷しました!(くまねこ堂古書ブログ、2021年2月2日)
https://www.kumanekodou.com/26468/

 今回は、その過去記事の続きとして、最近岩波文庫に収められた以下の本を紹介します。なぜ、その続きになるのかというと、手元にあった今回取り上げる本も、サイバネティックスという、機械の通信と制御に関する研究分野に関係があるからです。

グレゴリー・ベイトソン『精神と自然』

 上掲の画像は、グレゴリー・ベイトソン『精神と自然――生きた世界の認識論』佐藤良明訳(思索社、1982年)です。

 グレゴリー・ベイトソン(1904-1980)は、イギリス生まれ、アメリカの文化人類学、精神医学「など」の研究者です。ベイトソンが手がけた研究領域はきわめて広範なものです。それゆえ、既存の分野の名を用いて、彼を「~~の専門家」と紹介するのは困難でありましょう。

 さて、本書の副題は「生きた世界の認識論」とあります。このテーマについて、一人の人間という観点では、生きている以上は、時間の経過とともに変化するということが考えられます。しかも、そのような生きて変化する人びと同士の関係性、という方向に視点を広げてみて考える必要も出てくるでしょう。そうなると、キーワードとして「差異」が浮上してくるわけです。

 本書92頁をみますと、ベイトソンは「差異(ちがい)を産むことによって情報となる差異をつくり出す」と述べています。これは、”The difference which becomes information by making a difference.”の訳文との注記があります。「差異(ちがい)」がサイバネティックスの創始にとって重要であったことは、前回紹介したウィーナーの中国滞在時の体験によっても首肯されることだと思われます。

 それでは、「差異(ちがい)」はどのようにして生じるのか。ベイトソンは少なくとも2つの何かが必要だといいます。これに続けて次のように展開します。

 「差異の知らせ(これこそが情報に他ならない)を産み出すには、その相互関係の中に差異が内在するような二つの存在者(実在者であれ、想像の産物であれ)がなくてはならない。そしてまた、その差異の知らせが、脳のごとき情報処理体(コンピューターも含むかもしれない)の内部で、一つの差異として表象されてくるようになっていなくてはならない」

 差異を持っている二者が存在して、なおかつその差異を認識できたとき、という条件を満たしてはじめて、情報が生まれるというのです。したがって、このブログも、読者の皆さまの存在なくしては、情報にはなり得ないということです。ここまでお読みくださった方に、改めて感謝申し上げます。

 しかし、差異を持っている二者同士のやり取りが情報を生むといわれても、実感できない方もおられるかもしれません。そもそも差異ゆえに、互いにわかり合えないとか、情報を共有できないとか、そうした疑念が浮かぶのも、日常感覚からすれば当然かもしれません。あるいは、情報とはいっても、もともと知っているから認識できるのであって、もともと知らないことが他人の話に出てきても聞き取ることすらできない、というのは、私を含め読者の皆さまのうち多くの方が体験したことではないでしょうか。

 その疑問を考える際に重要と思われる文章が、今回紹介しましたベイトソン『精神と自然』のウィーナー登場部分とその周辺にありました(159-161頁)。下記引用はその一部です。〔 〕内は引用者によります。

 「ネコの発するメッセージは絡まり合って、複雑な網の目を形成している。〔中略〕われわれ人間にとっては、〔ネコが送るネコ自身についての無数の〕個々の信号は悲劇的に縺れ合っている。永年の訓練を経た行動生物学者ですら、面食らうことがしばしばである。にもかかわらず人間は、ネコとの間に起きていることがまるでわかってでもいるかのように、メッセージの断片をつなぎ合わせて、ネコのしぐさの”解読”をやってのける。人間は仮説を立てる。そしてその仮説を、ネコの行動のうち比較的わかりやすいものに照らし合わせながら、常に確証したり修正したりしていくのである。

 異種間のコミュニケーションは、いかなる場合も、自分の側でつくり上げたコンテキストを互いに修正し合っていく、学習のコンテキストの連続である」

 もし「学習」と聞いて、答えの決まった内容の一方的な受け渡しを想像するなら、上記のベイトソンのメッセージに面食らうしかありません。ベイトソンのいうように「自分の側でつくり上げたコンテキストを互いに修正し合っていく」のが「学習」であり、しかもその連続がコミュニケーションだとするなら、今までコミュニケーションだと思っていたこととは何だったのか。こういう問いから考え始めることで、「差異(ちがい)」から生まれた、正しい意味での情報に近づくことができるかもしれません。

 なお、この話題における「差異(ちがい)」について、ややこしい話をします。それは、「学習のコンテキスト」について、抽象性など一定の基準よる階層を設けるのかどうかで、そこに階層を認めるベイトソンと、階層を認めないウィーナーとで、決定的な差異があるということです。これを情報にできるがどうかは、皆さま次第です(すみませんが、私にはその意志がないわけではないんですが、能力がないんです…)。

 くまねこ堂では、現在入手が難しい研究書など、積極的に扱っております(いつの間にか文庫化されることがあります)。古書ブログでは、たまたま同時に入荷したいくつかの書籍の組み合わせによって、期せずして生まれた「情報」をお伝えしていきたいと思います。

 出張買取につきましては、お電話またはメールフォーム、LINEにて、お気軽にお問い合わせ下さいませ。スタッフ一同心よりお待ちしております!

小野坂


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デイビッド・ゴールドブラット『オリンピック全史』志村昌子、二木夢子訳(原書房、2018年)が入荷しました!~壮大な通史にして必携の辞典!#学術書 #オリンピック

  いつもくまねこ堂ブログをご覧くださりありがとうございます。 

 ここ最近、大正・昭和戦前期の日本に関する研究書や当時の文献を紹介してきました。それとの関連で、1940年東京オリンピック(五輪)に関する記述のある歴史研究の書籍が入荷しましたので、以下紹介していきます。

オリンピック全史

 デイビッド・ゴールドブラット『オリンピック全史』志村昌子、二木夢子訳(原書房、2018年)です。近代五輪の通史として端から端まで読むも良し、辞典として事あるごとに参照するも良し、本書は一家に一冊置かれるべきものに思われます。

 そこで、1940年東京五輪についての記述を確認してみましょう。そこでは、同五輪の聖火リレーのルート決定をめぐって、国際オリンピック委員会(IOC)、IOC内の日本人代表、日本の都道府県といった複数の立場の利害が交錯する政治抗争が発生していました。IOC内部ですら、どのルートとるのか割れていたわけですが、それでも日本国外を含むことでは共通していました。それに対する第三案が、宮崎県より提案されます。このことについて、ゴールドブラットは次のように述べています。

 「独自の提案をしたのが、日本列島南部にある宮崎県である。『天孫降臨』の地、日向国の高千穂峰から現在の天皇が住む東京までをリレーでつなぐという計画だ。彼らに少なからぬ援助をした国粋主義の新聞社と陸軍は、1937年7月に始まった、中国への日本軍侵攻の支持者層でもあった」(同書169頁)。

 この一点からも、1940年東京五輪が何であったかということがうかがえますね。それは、日本の国威発揚のためのイベント、それも国外で軍事行動を拡大していた国が計画したものであったのです。そして、聖火リレー第三案のねじ込みもむなしく、皮肉にも東京五輪が返上されるにいたったのは、上記の「国粋主義の新聞社と陸軍」の行動が原因でした。

 一方で、世界には五輪をうまく活用した政治指導者も存在します。とくに有名なのは、ナチ・ドイツの指導者ヒトラーですね。1936年ベルリン五輪の開催について、ヒトラーが宣伝大臣ゲッベルスに対して次のように述べていたと、ゴールドブラットは記しています。それは、ベルリン五輪開催に対する反対運動が高まる中で、ヒトラーがどのように考えていたのかを示す部分です。

 「〔ベルリン〕オリンピック開催が白紙に戻されるのだろうか。ところが、ヒトラーは計画を進める許可を与えた。彼が後年ゲッベルスに語ったところによると『今ドイツは世界から悪い印象を持たれている。ゆえに文化的な手段でこの難局を打開しなければならない。そんな状況でオリンピックの開催地に選ばれたことは願ってもない好機である。我々は新生ドイツの優秀さを世界に示さねばならない』と考えたからであった」(同書152頁)。

オリンピック全史▲してやられた!!

 そうしたヒトラーの思惑は、まんまと達成されました。1936年ベルリン五輪の開催によってヒトラーのナチ・ドイツが獲得したものについて、ゴールドブラットは次のように述べています。

 「なにしろ国際社会におけるドイツの居場所が定まったのである。独裁者として大きな権力を握ったヒトラーは、国内でいまや絶大な支持を得ていた。『オリンピックは実に大きな突破口となった。報道機関は国内外とも今大会を絶賛……外国の記者は取材熱心で敬服する』。運営に関しては、効率、壮麗さとも全世界の論評が一致しており、ベルリン大会はすべてにおいてこれまでの大会の頂点に立ったと評された」(同書164頁)

 さらにゴールドブラットは、五輪後のドイツ世論について、「オリンピックが終わったらユダヤ人をたたきのめそう」という一節をナチ党員が歌っていたことに言及します。いうまでもなくその歌詞は、「実行されるときが来た。狩りが再び始められた」わけです(同書165頁)。

 これらゴールドブラットが指摘している基本的な事実、すなわち負の歴史を抜きにして、五輪のあり方を考えることはできません。そして、その負の歴史の一部として2021年東京五輪が存在することも、また疑いようのないことかと思われます。少なくともゴールドブラット『オリンピック全史』によって示された、壮大にして細部も書き込まれたパノラマに接するなら、2021年東京五輪を賛美する発言がきわめてちっぽけなものに思われてなりません。

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