古本・なつかしもの屋 くまねこ堂

くまねこ堂・妻のブログ

東京古書組合のフリーペーパー発刊です!


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突然ですが。
皆様は、東京古書組合(東京都古書籍商業協同組合)というのを
ご存知でしょうか。
神田神保町の名だたる古本屋さんたちをはじめ、
東京都の認可を受けた古書籍業者の共同組合なのですが、
古本好きのかたでしたらおなじみだと思います「日本の古本屋」
このサイトを立ち上げたのが東京古書組合だと知ったら、
さらにぐっと身近に感じていただけるのではないでしょうか。

ちなみにくまきち(夫)は現在、
この東京古書組合の理事を務めさせていただいております。
パチパチ(*´∀`ノノ”☆(*´ω`*)
くまきちは毎月2回の会議に出席しているのですが、そこでは毎回
侃々諤々(かんかんがくがく)の活発な議論が交わされているそうです。
ああ、きっとその場で日本の古書業界を左右する
重要な取り決めが決定されているのだわ・・
と(勝手に(笑))想像して、ドキドキしてしまいます

ところで本日は、こちらの素敵な桜色のフリーペーパーを
ご紹介させていただきます。東京古書組合のフリーペーパーで、
このたび新しく始まったのだそうです!

中を開きますと、
東京都内で開かれる古書販売会の日程カレンダー(←古本好きは必須!:hoshi1:)、
東京古書組合の歴史、都内3ヶ所にある古書会館のご案内、
加盟店の古本屋さんのシリーズ・エッセイ(今号は「流浪堂」さんと「水中書店」さん)、
となっております。

見開きになっていますので、開いて貼ればポスターにもなります。
折って持ち歩くのも可、開いて店頭などに貼るのも可という、優れモノですね!

このフリーペーパーは、神田の古本屋さんの店頭などにも
少し置いてあるようですが、
確実に ゲットできるのは東京古書会館1Fだそうです。
皆様これを機に、ぜひ日本の古書業界の総本山・東京古書会館まで
足を運んでみてはいかがでしょうか!
古本の即売会もよく行われておりますので、その際には気軽にどなたでも
お越しいただけますよ即売展最新情報

そして東京古書組合では、ぜひ多くの方の加入をお待ちしております!
ご興味がおありのかたは、こちらの概要をご覧のうえご検討下さいませ、
どうぞよろしくお願いいたします
東京古書組合に加入するには


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超絶技巧の根付師・森田藻己の弟子、深井藻壽(最終回)


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(続きです)
森田藻己は、弟子に常々、
「銘はあまり早く入れないようがいい。
 後で若い時の作品を見て、恥しい思いをすることがあるからなあ」
ともらしていたといいます。
(「根付-江戸細密工芸の華」日本根付研究会二十周年記念出版 より)

今回深井藻壽氏のご遺族にお譲りいただいた、藻壽作品のほとんどが、
無銘のままでした。
ひょっとすると上記の師の言葉が頭にあったのかもしれません、
すなわち自分が納得のいかなかった作品には
藻壽さんは銘を入れたくなかったのでは・・
という考えが頭をよぎります。

さて、「深井藻壽」最終回の本日は、
今回の買取りでお譲りいただいた中でも数少ない、
銘が入った作品をいくつかご紹介させていただきます。

 

にこやかな笑みが福々しい、鯛に乗った恵比須様の根付です。
銘は「基寿」です。 

 

———————————— 

 

般若と狐の帯留めです。

こちらも「基寿」銘。
ご遺族のかたによりますと、藻壽さんは故郷の長野に帰られてからは
農民美術(大正から昭和の初期にかけて洋画家として活躍し、
上田市とも関わりの深い山本鼎が、農閑期の仕事として全国の農村へ広めた
木彫りの工芸品)の制作に携わっておられたのだそうです、
上の帯留めもその作品の一つと思われます。

 

下の写真は、ご遺族のお宅に飾られていた藻壽氏の農民美術の作品です、
写真だけ撮らせていただきました。

銘は「基じ」となっています。

 

 

晩年のお話です。
こちらの栗の根付は、もとは無銘だったそうですが、
ご遺族のかたに「銘を入れてほしい」と請われたため、
晩年に「藻寿」の銘を入れたのだそうです。

藻壽氏が若い頃の、例えば前回の記事でご紹介したような銘と比べますと
その差は歴然としており、切なさをおぼえますが、
なにぶん亡くなられたのは87歳のご高齢、
そう考えるとじゅうぶんすごいのかもしれません。

しかし、世が世なら、時代が違えば・・
根付に高い需要があり、藻己のような天才のもとでじっくりと修行に励み、
その後も研鑽し続けることができる環境にもし恵まれていたら・・
藻壽氏によるどれほど素晴らしい根付の作品群が生まれていたかもしれない、と、
ついつい考えてしまいます。

最後になりますが、このたびは藻壽氏のご遺品をお譲り下さり、
また藻壽氏の記事を書くことを快く承諾して下さったご遺族のかたに、
心から御礼を申し上げます。本当にどうもありがとうございました。
このようなつたないブログで大変恐縮ではございますが、
今回の記事をネットに上げることで、
最後の藻一派のうちのお一人と思われる藻壽氏の軌跡を
少しでも記録に残すことができれば・・と願ってやみません。


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超絶技巧の根付師・森田藻己の弟子、深井藻壽(5)


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(続きです)

今回お譲りいただいた中でも非常に興味深かったのが、
深井藻壽が実際に使っていた印です。
「深井」「ふか井」「藻壽」など数種類ありました。

蓋を開けると、白檀のなんとも良い香りが漂います。

 

側面に、藻壽の銘が彫られている物があります。
こちらは年代も特定できます、「庚辰(かのえたつ)」というのは
昭和15年だそうです。
・・これを手のひらに載せて初めて見たとき、
その文字の細かさと美しさに思わず息を呑みました、
当時の藻壽の、彫り師としての力量が伺えます。
画数も多い難しい字を、こんなに小さく美しく彫れるなんて、
一体どれほどの技術を要するのでしょう・・

 

こちらの印も年代が特定できます(画像では見づらいですが:ase1:)、
「戊寅(ぼいん)」と彫られており、これは昭和13年だそうです。
そしてよく見ると、こちらの印には「藻壽刻」ではなく
「壽藻刻」と彫られているんですね!
最初の「藻壽」印が昭和15年の物ですから、
「藻壽」と名乗る前に、「壽藻」と名乗っていた時期もあったのでしょうか。

(続きます。次回最終回です。)


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超絶技巧の根付師・森田藻己の弟子、深井藻壽(4)


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昨日に引き続きまして、深井藻壽の作品(未完成品含む)を
いくつか紹介させていただきます。  

これは、寿老人でしょうか?
温かみのある木彫作品ですね、高さ約21センチほどあります。 

 

面根付ですね。
中央は、翁(白色尉(はくしきじょう))ですね。
右と左は何でしょうか・・? 

 

大癋見(おおべしみ)ですね!
能「鞍馬天狗」などで、天狗の役に使われる面です。
製作途中だと思われますが、この段階でもかなり迫力があります、
ぜひ着色も終わった完成品が見たかったなあ・・(TT) 

 

こちらも同じく未完成の能面と思われます。
髪の毛が、分け目から3本線で彫られていますので、
小面(こおもて。若い女性)と思われます。

(続きます)


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超絶技巧の根付師・森田藻己の弟子、深井藻壽(3)


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(続きです)

本日ご紹介する根付たちも、いずれも藻壽の未完成作品になります。
(練習なのか、作製途中なのか、あるいは依頼主との打ち合わせで使った
試作品だったのかもしれませんが、不明です)
 

阿形(あぎょう)の金剛力士ですね。
迫力のある精悍な表情、筋肉隆々の肉体、風になびく天衣や裙(くん。裾(すそ)。)、
首飾り等の細かい造形など、様々な部分に見どころがあると思います。

 

これ、なんのお話でしたっけねえ・・(><)
背負った老婆の正体が鬼であることに気づき、
男性が刀を抜こうとしています。
老婆の顔に迫力ありますね、そして能面でいう生成(なまなり)な感じの
小さな角が、頭巾からにょきっと出ている様子も、なんだかリアルです。

 

少年が、狐の面をつけて胡坐をかいて座っています。
なんだろう・・
 

 

大黒様です。
小さなネズミが2匹、大黒様の袋に入ろうとしています。
ネズミを見る大黒様の眼差しが、大変優しく柔和で素敵です(^-^)

 

葉っぱにとまった蝉(セミ)の幼虫です。
足の節など、リアルです。

(続きます、全6回の予定です!) 

 
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超絶技巧の根付師・森田藻己の弟子、深井藻壽(2)


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(続きです)
深井藻壽は1937(昭和12)年、20歳の時に森田藻己に入門しました。
しかし1943(昭和18)年に藻己が亡くなったため、
師事していた期間は6年間ということになります。

今回の買取りでは、藻壽の未完成作品(練習なのか、製作途中なのか、
あるいは依頼主との打ち合わせで使った試作品だったのか、いずれも不明ですが)を
多数お譲りいただいたため、藻壽の制作過程に触れる意味でも
大変興味深かったです。

たとえばこれは、菊花の根付の未完成品なのですが、
「骨董緑青35 近代彫刻の神技 森田藻己の世界」に、
藻己作による「木彫菊花根付」というそっくりな作品がありました。
ひょっとすると師の作品を見ながら、練習したのかもしれません。

↓ 裏面です。

 

 

こちらの未完成根付には、小さな船に、小さな小さな乗客が乗っています。
数えてみたら、7人(船頭1人+乗客6人)と、
そしてよく見たらお猿さんも1匹乗っていました!

途中までしか彫られていないものの、
船を漕ぐ船頭、扇を持って立つ侍、きちんと着物を着た髪を結った女の人、
そしてお猿さんなど、
きちんとキャラクターが設定されているのがわかります。
もしこれがきちんと完成していたら、一体どんな素敵な作品になったのだろう・・と
思わず想像してしまいます。

そしてこちらも、「骨董緑青35 近代彫刻の神技 森田藻己の世界」で
藻己作の似ている作品を見つけました。


「牙彫渡し船根付」作:森田藻己

侍、猿回し、町人、髪を島田に結った町人の娘が渡し舟に乗り、
船頭は腰に煙草入を提げている。僅か数センチの中に人物6人と猿1匹を彫り込み、
しかもそれぞれの人物の着物の柄まで彫っているのには驚かされる。
(「骨董緑青35 近代彫刻の神技 森田藻己の世界」より)

ちなみに藻己は、拡大鏡は使わず直接肉眼で彫ったそうですから・・
その神業ぶりがうかがえます(汗)

(続きます)


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超絶技巧の根付師・森田藻己の弟子、深井藻壽(1)


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昨年の某月某日のことです。
出張買取り先で、お客様からこちらのたれをおみやげに頂戴いたしました。

美味だれ 焼鳥屋 鳥幸の味」という名の、それはそれは美味しいタレで、
大変ありがたく頂戴いたしました、どうもありがとうございました!

ところで。
このタレは「信州上田に愛され続ける秘伝のたれ」・・・
そうです、くまきち(夫)は、はるばる長野県まで
買取りに行ってきたのであります!:ecoemoji2:

長野には不思議とご縁がありまして、
今までも確か4回出張買取りに行っているのですが、
この時も大変思い出深い経験となりました。
今日から数回に渡り、ぜひ気合を入れてご紹介させていただきます。

————————————

少しだけ前フリを。
明治から昭和初期にかけて、まるで神業のような数々の細密彫刻作品を残した
根付師がおりました。その名を森田藻己(もりたそうこ 1879~1943)と言います。

記録に残っている中では、森田藻己の流れを汲む「藻一派(そういっぱ)」の
最後の一人となったのが、
深井基寿(ふかいもとじ 1918~2005。後の藻壽(そうじゅ))という人
だったようなのですが、
買取りのご依頼主様は、この深井藻壽氏のご親族のかたでした!
(ご親族によれば、藻壽氏は2005年4月にお亡くなりになられたそうです。)


(系図は「骨董緑青35 近代彫刻の神技 森田藻己の世界」より)

森田藻己は、過去に何度か当店に作品が入ってきたこともあり、
くまきち(夫)が個人的にも好きで興味を持っている根付師であるため、
その藻己の弟子となられたかたのご親族に呼んでいただけたのは
感無量であったようです。 
(続きます)


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池上彰&佐藤優「僕らが毎日やっている最強の読み方」


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本日は、
「僕らが毎日やっている 最強の読み方」池上彰、佐藤優/東洋経済新報社
を紹介させていただきます

ジャーナリストとして世界中を飛び回り、たくさんのTV等の仕事をこなしながら、
毎日11紙の新聞などに目を通し、毎月18回の締め切りを抱える池上彰氏。
毎月平均300冊以上の本に目を通し、毎月90近い締め切りを抱えているという
佐藤優氏。
・・なんというかもう、こういう方たちは
天才の域だと思われますので(∥°∀°)フフフ‥
自分のような凡人とはあまりにかけ離れていると思いつつ、
発売前から読むのを楽しみにしておりました(笑)

新聞・雑誌・ネット・書籍・教科書&学習参考書など、
他範囲に渡る読み方や使いこなし方が網羅されており、
知の巨人たちの毎日の情報収集のスキルが
対談形式でわかりやすく、惜しげもなく披露されていました。
大半はお2人の凄さに舌を巻くばかりでしたが、
ごくごくわずかながら「あ、これは自分もやってる!(≧∀≦):hoshi1:」と
勇気づけられる箇所もあったり、
大変勉強になる上に、知の巨人たちの人間味も垣間見られたりして
(佐藤優氏の猫バカぶりですとか・・)面白かったです!

あと意外だったのが、佐藤氏の
「池上さんは情報の真偽を判断するうえで、
何か基準をお持ちですか?(中略)何か特別な訓練法があるのでしょうか?」
という問いに対して、池上さんが、
「『だまされないための訓練』という意味なら、良質なミステリー小説を読むのが
おすすめです。」
と答えておられたことです。
古本屋妻としては思わず「へえ~~~!」と嬉しくなってしまいました(笑)
池上さんが新人記者時代に、先輩の大変な特ダネ記者にもらったアドバイスが
「(松本)清張を読め」で、清張がきっかけでミステリーファンになったという
エピソードなど、面白いですよね:roll:

————————————

本日の買取りでは、2000点以上のDVDや、
希少な海軍士官の軍服、園遊会と観艦式の招待状(戦前)など
お譲りいただきました、どうもありがとうございました! 


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